リベラルアーツ(一般教養)が「つまらない」のは学校のせい?


前回、一般教養の大切さについてコンコンと書きましたが、残念ながら「つまらない」と感じてしまう人がたくさんいるようです。

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楽しめるかどうかは、大学進学以前の育ちかたに加えて、大学入学後の環境も大きいと思います。今回はそのあたりを書きます。

教育する側の問題

教養は一人でも身につけることができるかもしれませんが、外からの刺激も必要です。

特に、通過することが目的の受験勉強を終えたばかりで、教養のアンテナが未成熟な個人にとって、「知の入り口」「学びの可能性」を示されることは大切です。

しかし、前エントリで言及したとおり、1、2年時に履修した一般教養科目の多くが、なんとなく素通りされてしまうようです。

こうなってしまう「学校側」の原因が二つ考えられます。

面白さを伝えられていない

◆教員(専門家)が一人で楽しんでるケース

大学で一般教養科目を教えている教師(教授、講師など)は、通常その分野で博士号を持っています。博士号は、その領域において未踏の研究、発表をした人に与えられます。少なくとも、そういう前提らしいです。

ずーっと学究できるなんて、心底愛がないとできません。羨ましいです。

ただ、教えるには、自分の知識を他人のために噛み砕いて、理解してもらう必要があります。自分で極めることと、人に教えることは別次元のスキルです。

溢れんばかりの愛を持っていたとしても、相手のレベルにチューニングしないままに脳を振りかざすと、生徒はついこれません。

◆教員本人すら楽しめてないケース

逸話です。

田舎の公立小学校に通っていた僕は、算数が苦手でした。しかし思い返すと、算数を苦痛に感じていた年と、そうでない年がありました。

さらに考えると、どうやら数学を教えることに興味がなさそうな、あるいは工夫しない担任の授業に、僕は苦痛に感じていたようだ、と気づきました。

小学校の担任は多くの科目を受け持つことになるので、たまたま算数の授業が苦手な教師がいてもおかしくありません。

でも大学で教えるならそれほどバリエーションはないため、上記のような悲劇は起こらなさそうですが、現実は厳しいです。大学教員だからといって、専門ど真ん中の授業を受け持てるとは限りません。外れた科目に甘んじている人も多いはずです。

自分の興味がないから、どうも力が入らない。これでは学ぶ側にも伝わります。

「教養が身を支える」と教えられない

大学教員にだって学生時代がありました。だから大学生の気持ちは分かる・・・と単純に考えてしまうのは、危険です。大学生という変わらない本質もあるのでしょうが、その後のルートは人により大きく異なるからです。

前述のとおり、一般教養科目を教える大学教員は、学士 > 博士 > 講師 > 助教授 >教授というルートをたどる人が多いです。つまり、ずっと大学に所属します。

しかし大学生の殆どは一般企業に就職して、教育の現場とは性質が違うフィールドで戦うことになります。

この差は大きい。いくら力説しても、学生に「でもあんたは大学のことしかしらないじゃないか」と思われると、そこで閉ざされます。

ビジネスや法律分野では、私企業や法律事務所の経営者が教壇に立つことも多いようで、それなら説得力が伴いやすいのでしょうが、一貫してアカデミアに身を置いてきた人が、一般的な会社員目線を持って話をするのは難しいのかもしれません。

もちろん「歴史」や「哲学」は会社の実務ではないので(だからリベラルアーツと呼ばれるわけで)、仕方ないとも思います。ただ、問題として認識しておくべきでしょう。

制度的に、楽しむ余裕がない

専門分野を選ぶタイミング

日本では、入学試験のタイミングで学部を選ぶことになります。社会との接点が少なく、受験を突破することが一番の目的であった18~19歳が、将来を見据えて今後4年間の学ぶ内容を選ぶのは無理があります。

入学したら、一般教養に加えて、並行して専門の基礎科目を学ぶことになるわけですが、どうしても自分の専攻に近い科目に気を取られてしまうはず。一般教養は「二の次」にまわることになります。

アメリカの大学では、通常1~2年時は学部の所属がなく、3年時に専攻を決めます。人気が殺到する学部に応募すると拒否される可能性もありますが、それでも一般教養をじっくりと学ぶ時間はとれます。

就活のタイミング

日本の大学生と関わるようになって驚いたことの一つが、卒業の1年以上前から就職活動が始まり、卒業の9ヶ月前にはほぼ完了する、という新卒一括採用システムです。

こうカッチリと決められてしまっては、勉強に集中するタイミングってすごく限定されるような気がします。加えてゼミ、アルバイト、サークル、インターンシップ・・・多忙です。

就活が一段落してから卒業までは、腰を据えて勉強を・・・なんて気分にはなれませんよね。

まとめ

今回は「できていない理由」に目を向けたため、ちょっと批判的な内容になってしまいました。

でも、一般教養を楽しめないのは大いなる損失ですし、ちょっと視点をずらすだけで大きな変化を生むと僕は信じています。

そのあたりについては、次回にでも書きます。

 

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