自由に働くことを選ぶリスク:インターンシップブログ

オンラインチャットで海外インターンシッププログラムについて説明するとき、僕はかならず自己紹介をします。インターン候補生にしてみれば、参加するであろうプログラムの主催者が何者なのか、とても気になるはず、という思いからです。ただ、自由といえば聞こえはいいものの、零細の実質1人会社の僕にとって、自己紹介とはなかなか厄介なものです。

本日のエントリーは、インターンシップではなくて、その先の働き方、ワークスタイルのこと。1人会社で調査・コンサル系というケースが一般的なのかレアなのかわかりませんが、その立場にあるリスクを書いてみようと思います。

誰も知らない

僕はPrepared Slides合同会社という法人の代表です。テック市場や企業の調査とアドバイザリーが主な業務です。クライアントは国内外の通信事業者、政府系機関などで、レポートを作成して、プレゼンしています。オフィスは持たず、1年のうち3割ほど海外にいます。

これだけ聞いて僕の仕事のイメージが湧く学生さんは少ないでしょう。社会人の方でもピンと来ないのではないかと。

Prepared Slides, LLCという法人名を知っている・聞いたことがある人は世界に数えるほどしかいません。

所属や承認の欲求が強いひとにとって、これは厳しい環境といえますが、幸い僕はこの気持ちがとても薄いようです。

全ての責任

1人会社であっても会計年始に収支計画をたてることは必須です。フリーランサーとの違いの1つです。なぜかと言うと、役員の給与は年俸制で、基本的にその年度内に変更できないからです。小さくも継続的なビジネスを作るように舵を切るのか、大きくて単発的なビジネスを狙うのか、など、方針の判断も簡単なものではありませんが、それらを成功させるのも容易ではありません。

さらに、責任は自分の範囲だけにとどまりません。クライアントに対する責任も全てカブることになります。能力だけではなく、体調や精神の管理も必要になります。僕がたまに突飛(といわれる)行動に出てしまうのは、バランスを取ろうとする反動かもしれません。

会社員時代、僕は病欠をしませんでした。唯一の例外は親知らず抜歯後に40度の熱が出た時です。

「もう面倒だ〜」と弱音を吐くことは問題ないと思いますが、最終ラインで逃げちゃう癖がある人には難しい立ち位置です。

笑ってもひとり

創業期には同じ方向に爆進できるチームが不可欠だ、という考え方、同感です。有り難いことに、僕には外部パートナーや心配してくれる人たちがいますが、会社というフィルターを通すと、独りの世界に入ってしまいます。

見通しが立たず、精神的に落ち込んだ時、半分背負ってくれるひとがいればいいのに、と思うことがありますが、「暗い気持ちを見せる相手がいなくて良かった」と居直れるくらいがちょうどいいと思っています。

それでも意味がある

ネガティブにも聞こえることを書きましたが、僕は(やせ我慢も含め)今の状況を楽しんでいます。僕は大望があって起業したわけではありません。起業するときに自分に課した条件は

外に飛び出して、知らないことを知って、突発的にお休みを取っても問題ない。

というものでした。おかげ様で今のところ、生き延びています。自分の旗を振れるよろこびはおおきい・・・やせ我慢含め、ですが。