不意にやってくるチャンスに備える:インターンシップブログ

前回のエントリーでは、分からないことは隠さず質問するべきだと書きました。

知ったかぶりは、チャンスを逃す:インターンシップブログ

今回はその前段階のお話です。

迫りくる危機に対して集中的に力を尽くすことは珍しくありません。テスト前日に一夜漬けしたり、締切前の数日間、徹夜してレポートを書いたり、僕も身に覚えがあります。これはこれで大切です。仕事というのは、見方によっては凌いだ場の連続で成り立っているようなところもあります。

その一方、遠い未来に対して着々と努力を続けることは難しいです。未来なんて分からないですから。漠然と努力できる人は、よほど気が長いか、見通しに自信があるかのどちらかです。

ただ、だからといって、努力を怠るわけにはいかない。なぜかというと、世の中には一定の知識・技能・経験を必要とする非常に魅力的なポジションが存在していて、これらチャンスが発生するタイミングは予期できないからです。

見えない未来に向けて努力することは難しいけど、不意のチャンスに備えなきゃならない・・・矛盾しているように聞こえますね。

これに対する回答は、二通りあります。

目の前の仕事と向き合う

とりあえず現場を全力で駆け抜けて、後から点と点がつながる、という考え方です。

私事の自慢ですが、某巨大IT企業からコミュニティマネージャのポジションをオファーされたことがありました。自分の組織を立ち上げたばかりだったので辞退しましたが、社名を聞けば誰もが知る組織が、なぜそのオファーを僕に打診したのか、具体的に説明できます。

  1. 英語 + アジア言語(日本語)ができた(海外の大学を卒業した後に、外資で働いていた)
  2. スタートアップの知見があった(スタートアップ200社にインタビューした)
  3. 日本と海外の通信関連企業と対峙してきた(クライアント、サプライヤー両面としての経験があった)

正直なところ、僕の社会人経験の中で、これら特に意識して磨いてきたわけではありません。でも、所属した全ての組織で最高の結果を残すよう、丁寧に努力したと胸を張ることはできます。それが、この大企業がしようとしていたことにハマったということですね。

巨大企業がスタートアップコミュニティを主催するという動き、今でこそ当たり前ですが、社会人になりたての僕には想像できませんでした。つまり狙っていたポジションではありませんでした。でも、現場で頑張るうちに特定びスキルや経験が培われ、必要とする人材として企業の目に止まったということです。

そうそう、準備という意味では、努力するだけでなく、それを公開しておく必要があります。具体的には、LinkedInの職歴をちゃんとアップデートしておくこと。仕事の知り合いを通じてオファーを受けるのが一番ですが、全く考えもしなかった方向からもチャンスが欲しければ、自分のプロファイルを公に見せておくことも大切です。

ビジネスSNS・Linkedinの使い方:インターンシップ・ブログ

Linkedinプロフィールを作成するポイント:インターンシップ・ブログ

気づいたことから、補強していく

掴んだヒントから近い将来を予想し、自分に足りない分を努力で補う、という考え方です。

昨日、日本の有力スタートアップでインターンをしている知人に時間を頂きました。環境の素晴らしさを推しつつ、足りない自分に気付いたと教えてくれました。図にするとこんな感じです。

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なんだか高度に見えますが、有力企業に限ったことではありません。コンビニのレジ打ちでも、新聞配達でも、居酒屋の厨房でのアルバイトでも、同じことです。全力で走る中で気づいたことから、近い未来に思いを馳せて、自分に必要な(=不足している)要素を見出し、それを磨くわけです。

ただ、気づいたこと全て意識してやるつもりだと、多分手に負えなくなります。欲張っても消化できません。

そこでコツがあります。気づいた点を書き出して、仕事で直ぐに役立つ短期的な目標と、数年後の自分や世間の在り方を予測しつつ中期的に学ぶものの2種類に分けます。その上で、それぞれ1つ、一番重要だと思うことから始めるのです。前者であれば身につく、後者であれば学習と応用が習慣づいた時点で努力目標を足せばいいのです。

まずは自分で考えて、人に聞いてみる

先輩や上司のアドバイスは貴重です。先達に聞くことで時間を短縮できます。

ただ、定着させたいなら、とりあえず尋ねるのではなく、自ら考えて、行動した上で求めたアドバイスのほうが身につく傾向があると思っています。違いは、理解する土壌が自分の中に整っているか否かです。試行錯誤した上でアドバイスを求めるならば、少なくとも受け手は自分なりに練ってきたはずで、吸収力が高い。

インターンシップ

学生のうちに、目の前のクライアント、マーケプラン、デザイン、コーディング、販売・・・なんでもいいですが、真摯に向き合うことができて、少しだけ先を見通す習慣を身につけて、相談できる先達がいるような環境・・・インターンシップは、まさにそういう場です。

プログラムの運営者という立場は差し置いても、国内外問わずインターンシップに挑戦することををおすすめします。何がしたいのか分からない人は、とりあえず調べてコンタクトしてみてください。いたるところに入口はありますから。