まずはタスクの目的を確認しよう:インターンシップブログ

SSHP主催の高田です。先のエントリーでは曖昧な質問をいかに絞り込むか、というプロセスについて書きました。今回は指示されたタスクの目的を明らかにすることがいかに大切か、という話です。 実例から説明しようと思います。

企業:サービスのオンラインマッチングを行う米国企業 課題:現在英語で提供しているサイトコンテンツを日本語にローカライズする

この課題について、インターン生は以下の手順でに仕事を進めました。

  1. 翻訳の対象範囲を確認
  2. 提出フォーマットの設定
  3. 分量の把握と時間配分
  4. 翻訳作業
  5. 見直し

いいですね。でも足りない。「何のために、誰に対してローカライズするのか?」を聞くべきです。ちゃんと聞いておかないと・・・

成果物が無駄になる

ウェブサイトの「翻訳」と「ローカライズ」は同義語ではありません。前者が「言語の置き換え」であるのに対し、後者は「異なる対象のための内容最適化」です。 受入企業の意図は、居住国に関わらず日本人にリーチしたい、ということなので通貨はUSドルのままで良かったのです。しかしインターンは日本にいる日本人顧客けのコンテンツだと勝手に理解してしまい、米ドルで記載されている料金を全て実勢レートで変換をかてしまいました。その数、100箇所以上。計算機に100回以上数字を打ち込んで、数字をコピペ・・・全部、ムダ。

作業がブレる

目的を未確認で作業を始めてしまうと、立ち止まってしまうケースが増えてしまいます。 ローカライズの場合、言葉の置き換えのほかにも重要なファクターではあります。例えば;

  • 単位:通貨、長さ、重さ、面積など、変更する必要があるのか
  • 法律:規制環境は国の政策による
  • 表現フロー:英語では単語でOKでも、日本語では文書のほうがシックリくる場合がある
  • 情報の粒度:例えば日本では、詳細な電気製品の仕様が好まれますが、欧米では無駄と省かれる

決め事がハッキリしていないと、「その場ルール」を決めてしまいがちです。引っかかる箇所が少なければ良いのですが、多いと次第に不安になり、立ち返る・・・という負のサイクルが待っています。この泥沼にハマると、それはそれは悲惨。 今回のケースだと、日本での関係法を調べるのに半日、翻訳に1日かかったそうです。結果は全ボツ・・・。

会社の方針を誤解する

「会社がどこに向かっているのか」「そのために何をしているのか」を把握しておくことはとても大切です。インターン生ならば、「◯◯という目標を掲げた会社で、限られた期間で△△を考え、実施して、結果は◇◇だった」というストーリーを持つことができます。社員であれば、モチベーションの持続に役立ちます。逆に方向性が見えないと、極端に不安になるものです。漫然と「降ってきた作業」と割り切っているようだと、旨味を感じることなく労働することになっちゃいます。   念のため、全てを確認しようとするのも非効率的で、逆に考えものです。ただ、大枠と方向性がわかっていれば、誤差の修正が楽なのです。「そんなの当然やっている」と思われるかもしれませんが、勘違いは日常に起きているわけです。勘違いが起きるのは「勘」に頼ってしまうから。だからこそ、確認しましょうね、ということ。 ちなみに、これは指示を出す側の問題でもあります。自分がわかっていることを他人も同様だと思い込んででいる人、沢山いますから。僕も気をつけなきゃ。

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