大学生のための海外研修プログラム・第8期の課題が始まりました。
事前課題の一つは風物詩とも言える「英語で自己紹介」。軽く見られがちですが、奥が深いです。
このエントリーでは、自己紹介の重要性をひもとき、英語で自己紹介するポイントを説明します。
何度も自己紹介
上プログラムにおいて、僕は大学生1人あたり平均6回の自己紹介を聞く(あるいは目にする)ことになります。
具体的には:
- プログラムの説明(音声通話)
- グループチャット内での自己紹介(文面)
- オンライン課題(1分間の自己紹介の録音)
- 受入企業との電話会議
- 都内での対面研修
- 現地で受け入れ企業との初会合
あらためて数えると、すごい頻度です。
人が会えば普通に自己紹介をするものですが、意図を持って行うとすごく効果があります。
自己紹介の目的
わざわざ自己紹介をする目的は、自分のことを知ってもらい、覚えてもらうためです。
当然だと思われるかもしれませんが、漫然と自己紹介を行う人が少なくありません。
しかし、強いインパクトとともに「この人、面白いな」と印象づけられると、その後がスムーズに進みます。これがフックになって話が広がるからです。
記憶に残らなくても挽回は可能ですが、特に英語が苦手で、人見知りを自負する学生こそ人との接点が多いに越したことはないです。
自己紹介のチャンスを逃してもらいたくないです。
意外性と、強い想い
それでは本質です。
強いインパクトを残すためには、想定外なポイントや、具体的で強烈な想いを伝えると効果的です。
これまでに僕が見てきた「1分間自己紹介」から好例(珍例?)を抜粋します。
“I like imomochi.”
この方、1分間の大半を「芋餅」一本でつらぬきました。僕はそもそも芋餅という食べ物を知らなかったので、思わずググりました。思いがけないトピック選択だったので、強烈に覚えています。
(体育会系で忙しいという説明後に)
“I play the piano.”
今期です。確信犯かもしれません。「ここでピアノ?」と反応してしまいました。体育会系がサラッとピアノ弾くとモテそうだなぁ・・・と、うっかり感じてしまいました。
“I am aaa, bbb, ccc…..”
(ここから延々5分間続く。)」
・・・長い、とにかく長い。1分間と指定し忘れたかと僕が不安になりました。マイペースな人だと今でも覚えています。
これら「意外性」は変わり種であることも多いです。
続いて、強い想い編。こちらは直球です。
“I will start working for XXXX (investment company) next year so I want to have deeper insights on the startup ecosystem in Singapore.”
具体的に前のめりに来られると、起業家は業界イベントに誘うなど、機会を作ってくれます。
“I study wine and I held a wine seminar. Next year I will go to France…”
具体的に将来につなげようという意思を感じます。先輩としてどう力になれるか、考えたくなります。
こんなふうに、自己紹介で人が動かされることわけです。
「そんな単純なものかね?」と思われるかもしれませんが、そんな単純なものです。
状況を考える
状況によって話題を選ぶべきです。
例えば合コンで異性に対する話と、企業の面接官に対する話は別物ですよね(本質は似ていますが、話題は違うはず)。
前者なら気を引くため。後者なら内定に近づくため。
では、海外インターンシップで受け入れ企業に対するなら、どうでしょう?
やはり「熱意がある学生に多くの体験をさせてあげたい」と感じてもらうためなので、具体的に今と将来の夢を語るのがいいでしょうね。
テンプレを持つ
即興で流暢に自己紹介する人は、スマートでカッコよく見えます。
とはいえ、テンプレを持っていると便利です。上のカッコいい人たちも、実はパターンをいくつか持っていて、状況に応じてやりくりしている場合が多いです。
難しいことはないので、できれば書き起こして、何度も練習してみましょう。
①自分は何者か
必須項目は名前と、今勉強していること(専攻)。以上です。
大学名は重要ではありません。
状況に応じて出身地とか入れてもいいですが、これもオプションです。
例:I am Yasunobu Takata. Please call me Yas. I study Economics.
②今やっていること、将来やりたいこと
海外の学生は、今やっていることと未来を結びつけて説明しようとする傾向があります。
例えば、「今病院のコールセンターでバイトしてるんだけど、将来は医療機器メーカーの人事で働く」のように、具体的です。
ここは日本の学生が苦手なところですが、僕は声を大にして言いたいです。口にしたからといってそれを遂行する義務はありません。夢や進路が変わるのは自然なことです。今と未来をつなげて生きている姿勢を見せることのほうが大切です。
例:”I want to work for a tourism industry. I have worked at a convenience store for two years and felt the increase of foreigners. It’s fun to interact with them and I got interested in the job to welcome overseas tourists.”
「僕は観光業を考えています。コンビニで2年バイトしていますが、外国人のお客様が増えるのを目の当たりにしました。彼らと接するのが楽しくて、自然と観光客を迎え入れる仕事に興味がわきました。」
ちなみに僕は学生の頃「ハーレーダビッドソンのカスタムショップを経営する」と宣言していました。
どうしても思い浮かばなければ「将来が全く未定なので、とにかくいろんな人に会って、いろんな話をして、いろんな経験をしている。」でもOKです。
例:”I honestly have no idea about my future so I am longing for meeting new people to decide the path.”
③趣味・趣向
ないがしろにされるケースが多いですが、無視できません。パーソナルな部分を語れるというのは、人に対してオープンであることを意味します。
一発狙うなら、ここかもしれません。「芋餅」は良かったなぁ・・・。
ともあれ、この3部構成で話せば、1分間くらいあっという間です。
話し方
どうせなら、楽しそうに話したいものです。つまらなそうに話す人の話を聞いてもつまらないんじゃないか、と思ってしまいます。
とはいえ、テンションを無理やりあげようとしても無駄です。人にはタイプがあります。
ポイントは、誠実に伝えようとしている姿勢です。
プレゼンテーションのアドバイスと重複しますが:
- ゆっくり・はっきり
- 大きな声で
- 相手の方に体ごと向かって・・・話す。
シンプルですが、それだけ意識できれば伝わり方は全然違います。
小中学校で「字が汚くてもいいから丁寧に書け」とアドバイスされたことはありませんか?
自己紹介も同じことです。口下手でも英語が苦手でも、伝えようとする人のことを、心ある人は放っておけません。
注意する点
間違い・・・というほどではありませんが、自然に聞こえるために意識するポイントがあります。
◆名乗り方
My name is…は間違いではありませんが、I am…で始めるほうがナチュラルに響きます、個人的には。
◆年齢
特別な理由でも無い限り、年齢を言う意味はありません。
◆学部 > 大学名
上述のとおりですが、インターン生に重視されるのは大学名よりも、学部で何を学んでいるかです。
どうしても言いたい場合は、大事な順に説明するべきなので、I am studying Economics at XXX universityという順番にしましょう。
◆文末の声量
大きな声で話すために、第一声は意識しているのですが、次第に声が小さくなる人が多いです。逆に、最後の単語をハッキリ発音することを意識していると、自信が宿ります。
◆政治・宗教は微妙
これまでに見たことはありませんが、信仰と政治について触れることはおすすめできません。話の流れでトピックに上がることはよくあるのですが、自己紹介でバンっと出すのは考えものです。
最後に
僕も常にこれらを完璧に満たしているわけではありませんが、意識はしています。
エピソードとしては、「現代の行商人」「けん玉」「専門用語嫌い」などはよく使います。
学生の皆様にも、人に会う目的をハッキリさせて、しっかり自己紹介して頂けると嬉しいです。
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