シンガポールのスタートアップで日本の学生が3週間を過ごす研修プログラムSingapore Startup Hack Program (SSHP)。2日目は旅行系のスタートアップTrabble社のCEOに向けて取り組んだ事前課題の英語プレゼンが行われました。プレゼンというよりは、隣に座って課題の結果を報告したという感じです。
出来は上々でした。ホッとするのと同時に、プレゼンの出来を左右する一番の要素は語学力ではなく、良い資料の準備と理解だと痛感しました。
良いプレゼン資料とは
スライド作りには以下のポイントをおさえておく必要があります。
・フロー:スライドとスライドの間につながりを持たせること。これががないと、聞き手の思考が飛んでしまいます。
・キーメッセージ:1スライドにつき1メッセージ、聞き手に伝えたいことが明記されていること。
・サポートコンテンツ:スライドの中身はキーメッセージを伝えるための要素になっていること。また、それらが整然と(順序・大小・高低・東西…)並んでいること
当たり前ですが、当たり前には出来ないものです。
今回Trabbleチームが作った資料はとても短かったのですが、上記の条件がそれっていました。
資料ができたら、内容を刷り込む
上記のルールに沿って資料が完成していれば、その段階でかなり内容が頭に入っているはずです。ブツブツとつぶやきながら、聞き手に対して強調するべき点(クライマックス)を設定します。聞き手が知りたい情報や分析をクライマックスにすることが大切です。個人的に、ではなくて。
原稿は不要(むしろ邪魔)
慣れない英語のプレゼンで原稿を準備したくなる、という気持ちは理解できます。しかし、オススメできません。原稿に縛られてしまうからです。縛られると「話す」ではなく「読む」状態に入ってしまいます。すると場の双方向性が失われ、反応を見ながらテンポを作ることが難しくなります。それに内容を忘れると流れがとまるし、途中で質問されたら再開するのも一苦労です。
不安であれば、備忘録的にポイントとなる単語をいくつか記しておく程度にとどめておくべきです。
「日本語ならできるけど、英語だから・・・」と食い下がられることがあるのですが、それを強調する人に「じゃ英語ではなくて日本語で簡潔に説明して」とお願いすることにしています。すると、大抵うまくいきません。日本語なので流暢ではあるけれど、話の流れやポイントがつかみにくい。誤解を恐れながら言うと、「英語で完全スクリプトを作る」という行為は、流れやコンテンツをつかみきれていないことに対する保険のように感じます。最初から保険を使うというのは、事故が起こることを前提にしているようなものです。
逆に内容がきちんと把握されていて、資料の作りが必要十分であれば、内容が飛ぶことはありません。
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もちろん英語力だって必要です。でもそれ以前に上記の条件がクリアされていることが及第点(=失敗しないレベル)のプレゼンをすることになります。英語が得意だから良い英語プレゼンができるとは限りません。まずは構成、その次に英語力と確認することになりました。
インターンプレゼン風景。
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