物を売る③ – ポップアップのガイドライン:インターンシップブログ


これまでのエントリーでは物を売ることの考えと、その方法論について書きました。

あるメーカーから頂いた市場調査の仕事が、最近完了しました。以降はお客様が販売戦略を立てて市場に仕掛ける運びになるのですが、お話を聞いているうちに僕も引き続きお手伝いできることがありそうな気がしました。期を見て追加提案を出すつもりです。こんな話は遠...
前回のエントリーではモノを売ることについての考えを書きました。今回はフリマやオークションアプリを越えて実践可能なモノを売る方法 - ポップアップをご紹介します。ポップアップとは周知とまでは言えませんが、最近は「ポップアップショップ(ストア)」というカ...

最終の3回目では、ポップアップを試す上でのガイドラインというか、チェックリストを作りました。挑戦したい人は、このプロセスをなぞってみてください。

ポップアップとは(おさらい)

前回書いたとおり、ポップアップとは、期間限定のお店のことです。

この「モノを売る」ブログシリーズの文脈では、海外旅行や出張の機会を利用して、日本で仕入れたモノを海外で売る、という試みです。

この流れを単純化したのが下の図です。

ポップアップのフェーズ(段階)を、市場背景、商品調達、宣伝、販売に分けました。それぞれに答えるべき大命題があります。

各フェーズの大命題に答えるために何を検討すればよいのか、説明します。

市場背景

その国では、誰がどんな暮らしをしているのか?

外観を把握するために知る必要があるのは、デモグラフィー、文化、気候の3つです。こんな感じで調査します。

  • デモグラフィー
    • 収入
    • 年齢
    • 性別
    • ・・・などなど
  • 文化
    • 隣国との関係
    • 流行りの媒体
    • 外国人(日本人)に対する印象
    • よそ者に対する印象
    • ・・・などなど
  • 気候
    • 気温
    • 降水量
    • 寒暖差
    • 湿度
    • ・・・などなど

調査といってもクライアントに提出する報告書ではないので、正確な数値である必要はありません。パパっと検索して作り上げましょう。

一つだけ太字にした「人気の媒体」については、国の独自性が出やすいので気にして下さい。

日本ではTwitterが流行っていますが、近隣諸国ではそれほどでもありません。韓国ではNaverブログが大人気で、プロでなくても影響力のある人はブログにインスタグラムアカウントなどを合わせて発信しています。

調査段階で肝心なのは、単にデータをとるのではなく、調べる過程で日本との対比や、実際宣伝するシーンを想像することです。日本と較べて平均収入は3割ほど多い、気候は常夏だから、防寒グッズは無理、この商品は写真映えしないのでインスタは不向きか・・・などなど。

商品調達

私に入手可能なモノは何か・・・?

無理なく仕入れられるものをリストアップしましょう。

オンラインショッピングで仕入れられるものでもいいですが、首都圏や地方の大都市に住む方々におすすめするのは、大手ドラッグストアチェーンです。

ドラッグストアは訪日外国人の主要な目的地の一つであり、この売場を見るだけでいろいろな情報が飛び込んできます。

特に美容系のプロダクトは人気が高いです。売り場に日本語以外の表記があるかを確認するだけで、海外での市場性が知れるというものです。

単純な例ですが、資生堂のビューラーはドラッグストアで800円くらいで売っていますが、韓国では3倍の値段がするそうです。

大都市圏以外に住んでいる人にお勧めするのは、手工芸の直売店です。実用、娯楽は問いません。

うちの近所には昔ながらのおもちゃを製造する会社があり、けん玉をほぼ卸値(700円)で仕入れました。別物とは言え、Beams Japanで3780円で売られていることを考えると、かなりお得に仕入れられたと言えます。

これらは一例であり、日本には仕入先が無数にあります。

さて、調達したいモノを見つけたら、現地で類似するものが売られているか、調べます。

  • ベストな結果は「似た商品が、日本と比べて高額で販売されている」
  • 次に良い結果は「代替になるモノが日本と比べて高額で販売されている」
  • 次いで「似たコンセプトの商品が無い」
  • 最悪な結果は「同じもの・似たもの・代替品が日本より安く販売されている」

最後の点に該当する商品は海外ポップアップ向きではありません。あきらめましょう。

ちなみにけん玉の場合は「似たコンセプトの商品が無い」でした。

宣伝

どうアプローチする?

商品が決まった時点で、ターゲットを絞り込みます。経営学部で学ぶペルソナというやつですね。

そのペルソナに当てはまる、買い手候補が集まる場所に行きましょう。

僕は広場やカフェでいきなり人に話しかけますが、オンラインできっかけを作ることもできます。

  • Meetup: 趣味をベースにした会合がリスト可されています。場所や日時で検索できます。
  • Facebook: 興味を主体としたページや、イベントを探すこともできます。
  • Eventribe: 世界中のイベントを検索できます。

大学生であれば、現地の大学のFacebookページや学生課などに聞いてみるのもいいかもしれませんね。

販売

何を伝える?

何を準備していこう。

まずは商品・・・これが無くては始まりませんよね。

次に、ひとこと紹介。完結に説明できるように準備してください。要素は「この商品は何か」「潜在顧客悩みをどう解決するのか」の2つだけ。長くとも30秒で説明できるように。

忘れがちなのが、参照サイトや動画へのリンク。上のひとこと紹介は文字ですが、何かを説明するときに、言葉よりも写真や動画のほうが迫力があります。特に見た目が大事なモノについては。

けん玉のかっこよさを説明するには、ダラダラと説明するよりも、優れたパフォーマーの動画をみせた上で、ビシっと一言添えたほうが明白なのです。

優れたキャッチコピーには心を掴まれます。僕のお気に入りは「美味しいものは、脂肪と糖でできている(サントリー黒烏龍茶)」「It works or we fix it for free(Zippoライター)」です。

まとめ

気づいた人もいるとは思いますが、海外ポップアップはモノを売るということではなく、市場調査から仕入れ、宣伝、販売を全て自分で手がける、総合ビジネスです。1人商社といってもいいです。だから商社はもちろん、海外勤務を目指す人には是非試して貰いたいのです。

実行は大変ではありますが、誰にでも挑戦できます。

資金・時間・人手の全てに大きく制限がかかるなかで、戦略と戦術を凝らしてみてください。

いろいろなものが見えてくるはずです。