寄稿エントリー:総合商社の面接3つのポイント ~ MARCH就活生のバイブル

本エントリーはSSHP第3期研修生で、現在明治大学4年生、2018年4月から総合商社で働くことが内定した湯谷亮介さんによる寄稿ポストです。

経緯についてはこちらをご覧下さい

会って話して、企画が生まれた(寄稿シリーズ予告)

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寄稿ブログの最後は、商社に特化した面接の極意を書きます。

僕が就活で培ったものが、少しでも参考になればと思います。これまで「MARCH就活生のバイブル」に書いてきたことも関連している部分は多いので、深く知りたい場合はぜひ読んでみて下さい

寄稿エントリー:「自分の“持ち味”って何だろう」~MARCH就活生のバイブル

寄稿エントリー:「“足を動かす”と道が開ける」~MARCH就活生のバイブル

寄稿エントリー:「インターンシップは3days以上でないと意味がない?」~MARCH就活生のバイブル

寄稿エントリー:就活を勝ち抜くための自己分析 ~ MARCH就活生のバイブル

自分の「人生に根ざした経験」を見せる

学生時代頑張ったことを問う理由は、あなたという人間の人柄を知りたいからです。

なので、一般的な「動機⇒内容⇒困難⇒乗り越え⇒結果⇒学び」のパッケージで綺麗に書いても、似たようなストーリーの上位版を持つ人が横にいたら経験の見栄え勝負になり印象は薄れてしまいます。

そこで、大学のある出来事のみでアピールを完結せず、幼少期の環境や自分の人生のターニングポイントでの判断基準や価値観を絡めながら、話してみて下さい。入社後にやりたいことベースで話すより、自分の人間性が総合商社に、そしてその商社に通ずるものがあるという言い方のほうがいいです。

実際に僕も志望動機は「プレイヤーとして泥臭く現場で行動する」を軸に話し、そうなったきっかけに「大学受験の失敗による価値観の変化」を、人の気持ちを考える理由には「中学時代のいじめの経験」などを話しました。

そして、伊藤忠に限らず三菱の最終でも「中学時代はどんな子だった?」「行動力の源泉は幼少期に何かきっかけがある?」と深掘りされました。

内々定後の人事から頂いたフィードバックは「圧倒的に納得感のある話で人柄がよく分かった」と高評価でした。

自己分析を徹底し、自分の20年ちょっとの人生での人間らしさが出たエピソードをもとに、ロジックを固めてみましょう。

の考えはこうです!!」を口に出す

「芯が強い子」って魅力的に映るよね。懇親会で多くの現場社員さんから聞きました。

例えば、伊藤忠の選考では一次面接が30後半〜40代の課長クラスの人、二次面接が本部長・部門長クラスの50歳くらいの人が相手です。

倍率は二次面接が最も高く、実は役員の最終面接に行く前に現場社員の担当する二次面接の段階でほぼ決まるそうです。なので、現場社員が魅力的に思う芯の強さ」を出していくのがオススメです。

SPIの性格診断の結果によって、圧迫面接にするか通常の面接で深掘りするか決めるみたいなので、圧迫されても「へぇ、試してきてんじゃん」くらいに思って、自分の考えを必死に伝えて下さい。

実際の面接でも、「んーそれは分かるけど、この場合は?」や「もし君ならどうする?」などの質問も多かったです。受験と違って質問の回答に正解などないので、自分なりの経験や価値観を論拠にすると伝えた後で、自分の意見をまっすぐ自信を持って伝えましょう。

ただし、あくまで学生という立場で「まだ未熟な意見なのですが、現段階ではこう思います!」と低い姿勢も忘れずに。

現場力」×経営」=総合商社という理解を会に組み込む

総合商社は新しい時代を生き抜く為に、投資とその先の事業経営が大事だと発信しています。しかしコンサルも経営に関わるし、投資銀行だって事業投資をする。

では総合商社ならではの良さは何か、プレイヤーとして現場感を持ち、投資先を育てる経営を一緒にできることだと思います。トレードと事業投資が密接に関わるのも、普通の人が面倒だと感じることにも手間を惜しまず参加し、現場で泥臭く相手と信頼関係を築き上げていくことで、誰よりも早く投資先の情報を知り、投資が実行できてきた歴史に起因するものです。

繊維部隊が一週間で青森と東京を6往復し、工場の人の信頼を勝ち得た話であったり、生鮮部隊で漁師さんと一緒に海老の殻を剥いていた時に、その不便さから殻を剥いた状態で取引する提案をして取引先が4倍に増えた話、さらには化学品の部隊で無視され続けた取引先に1年間メールをし続けて、今は優良な取引先となっている話だったり、どれも「泥臭さ」なしでは無理です。

それをいかに楽しめるか、学生時代の取り組みや幼少期での周囲の人との関わり方に、どれだけ”泥臭さ”や”現場力”の要素があるかを会話に盛り込んで下さい。有象無象のミーハー商社志望者との差別化は、商社自体の本来の姿に目を向けられているかをアピールできることにあると思います。

感想

今振り返ると就活は、大変でしたけど楽しかったです。「就活生」という立場で、あらゆる業界の色んな人に会えて話が聞ける機会は今だけです。毎日OB訪問で丸の内や外苑前の1500円くらいのランチを奢ってもらい、毎日自分の将来をじっくり考え、毎日新しい人と出会って話す。最高じゃないですか。

OB訪問や自社セミナーに足を何度も運ぶなど、地道な積み重ねが必要な泥臭い商社の就活自体を楽しんでできるかどうかも、もしかすると一種の適性判断なのかもしれないですね。

ぜひ3月の解禁までは業界を絞らず、実際にその業界の人と話した上で決めてみて下さい。
悔いのない就活をして下さいね。

これまで溢れる想いのままに書きましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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コーディネーター後書

湯谷くんは数ある業種から総合商社を、そして複数の総合商社から伊藤忠商事を選びました。

結果だけを見ると、選ばれし者のための、絵に描いたようなキラキラの成功事例です。

しかし、就活の実体験をもとに書いて頂いた4本の記事を読み返してみると、誰にでもできそうなシンプルなことばかりです。

にもかかわらず総合商社は狭き門なのは、多くの人が、出来るはずのことが出来ていないということ。具体的には、自分の半生を振り返る・業界の話を中の人に聞く・繰り返し助言を求める・礼儀を欠かさず主張する、などなど。

以前も書きましたが、湯谷さんは丁寧に就活と自分に向き合ったんだな、と思います。

それこそが総合商社に限らず、日本における就活の王道なのかもしれません。

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