本エントリーはSSHP第3期研修生であり、現在明治大学4年生、2018年4月から総合商社で働くことが内定した湯谷亮介さんによる寄稿ポストです。
経緯についてはこちらをご覧下さい。
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新シリーズはMARCH就活生に伝えたいことを書きます。1本目は、“自分の見せ方”についてです。
就活。
それは「すごい経験の出し合い」ではなく、「いかに自分の人間性を伝えられるか」の勝負だと思います。
就活生はほとんどが、それを知らずに面接に臨んでいると思います。
僕もその一人でした。夏のインターンは複数出しましたが、惨敗。
けれど、そこで自分の見せ方の間違いに気づきました。
MARCHの学生は就活が始まると、特に学歴が気になります。高偏差値の大学から来た学生に選考中に煽られることだってあります。
しかし、学校名の影響が0とまでは言いませんが、勝負の分かれ目はなるのは自分の人間性、つまりは「持ち味」を示せるかどうかです。
学歴が唯一影響すると言われる書類選考も、自分の持ち味を理解してもらうように見せ方を工夫すれば問題なく通過できます。
その「持ち味」をいかに引き出すか、どれくらい重要なのか、今回はその部分に注目してみました。
「持ち味」とは
「持ち味」は「強み」とは違います。
これは僕なりの定義だと思うので、説明します。
強みとは、何か経験の中で発揮された自分の能力だと思います。
例えば、数百人の組織をまとめるリーダーシップであったり、留学へ挑戦した行動力であったりがよく言われる有名なやつです。
MARCH生はこれで勝負をすると確実に負けます。
一方「持ち味」は「強み」の進化系で、自分の人生で培われた価値観に紐づいた性質です。
大学生活の一活動だけにおける能力ではなく、家庭環境や中高時代の自分の立場、人生のターニングポイントにおける意思決定の基準など、過去の自分と関連させることが重要です。
それにより、「強み」は自分らしさを表現することが可能となり「持ち味」へと変化するのです。
例えば、“物事の優先順位を瞬時につけられること”が得意な人がいるとします。
「強み」としての表現は、『300人の学生団体の代表を務めたことから、大きな組織で瞬時に度重なる意思決定をする場面を経験し、限られた時間の中で組織として物事を達成する長期的な視野と優先順位の判断能力が身に付いた』
が一つの例になります。
しかし、これでは“その人らしさ”が全く表現できていません。
そうなると、より大きな組織・国際的な機関などでの、インパクトの強いエピソードを披露したライバルや、自分より高学歴の学生、が隣に座って面接をすると印象が薄れてしまいます。
そこで、差別化を測るために、自分らしさを足します。
先ほどの例を「持ち味」として表現する場合、例えば『幼少期に両親共働きだったため、家に一人でいることが多く、家事全般や学校の宿題を自分で優先順位をつけてやっていた』
と付け足すとグッと納得感が変わります。
それは、中高の文化祭を代表として運営していたでも、定期テストの勉強を1ヶ月前から計画的にやっていたでも、なんでも良いです。
そのエピソードを聞いた時に、その人らしさが伝わった上で大学時代の能力を発揮した経験を伝えれば、面接官に自分の印象を刷り込むことができます。
面接官も人間なので、一日に何十人もの就活生の相手をするのに、正直一人一人を細かくは覚えられません。
だからこそ、その場で話を聞いた時の納得感で評価を決めることが多いようです。
ぜひ、経験単体のインパクト勝負ではなく、『私はこういう人間です』というイメージを面接官に持たせるために、「持ち味」で勝負していきましょう。
自己分析が重要と言われる意味
ここまで「持ち味」の重要性を書いてきました。
それと就活中に何度も耳にする“自己分析”はなぜ重要なのか。
自己分析は自分の「持ち味」を理解するプロセスだからです。
自己を見つめるうちに、自分でも意識していなかった人生の価値観や、変わらない特徴などに気づく。これこそが「持ち味」になるからです。
自己分析を始める時、参考書を買ってその本を埋めることを目的にしてしまっている人がいます。
その場合、一般的に皆が言う“人を巻き込むリーダーシップ”や“挑戦心”、“行動力”などに強みを当てはめようとして、それらしいエピソードができると満足してしまいます。
そのままだと、MARCH生は確実に高学歴集団に埋もれてしまいます。
なので、自己分析の捉え方を変えましょう。
『自分の持ち味はなんだろう』の答えを見つけるために、自己分析をしてみて下さい。
自己PRは何を書けば良いのか分からないとか、学生時代頑張ったことが書けないなどの悩みは、しっかり自己分析ができていないことが原因です。
まとめ
今回は「持ち味」をテーマの中心に書いてみました。
僕は、面接で本当に問われていること = 自分の「持ち味」だと思っています。
面接では、面接官の質問の意図を正確に理解することから始まります。
理解したら、周りと差別化を図るために「持ち味」を面接官に納得感を持って、簡潔に伝える必要があります。
実際に私も就活中に感じたのですが、『1分間程度で簡単に教えて下さい』の類いの質問に、多くの就活生は1分以上話してしまったり、まとまりのない話をしています。
緊張の中で入社したい想いが強いと、より多くのインパクトのある経験を話すために、冗長になりがちです。
なので、準備をしておかないと余裕を持った勝てる面接ができません。
準備段階で自分の「持ち味」が分かっていると、面接の中で何を伝えるかが明確なため、一貫性のある論理的な受け答えができます。
結果、1分程度の簡単な自己紹介も15秒程度で効果的に伝えられます。
それを冬のインターンから実践し、本選考まで、面接で苦労することはありませんでした。
自己分析を形にするには少々時間もかかり、終わるものでもないので、最後の最後まで深掘りしてみて下さい。
ちなみに僕は3年の9月から始めて、12月に形になり、5月31日まで論理性の補強のための深掘りを続けました。
自分の「持ち味」を整理してみましょう。
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コーディネーター後書
採用担当者はコミュニケーション能力を重視すると言われますが、そもそもコミュニケーションとは何でしょうか?
この問に対する答えは幾つもありますが、有力な回答の一つは相手の意図を汲み取った受け答えができる能力と言えそうです。
100エントリーを超えるこのインターンシップブログの一本目のタイトルは「曖昧な質問に答えるためのプロセス」でした。
多かれ少なかれ、SSHP研修生は「それ、質問に答えられてる?」と突っ込まれたはずです。
それほど当たり前であり、難しいものでもあります。
湯谷くんは自信家で、論理的にしゃべるタイプでしたが、だからこそSSHPの現場ではずいぶん突っ込んだ覚えがあります。受入企業から出された課題の解答が見当違いだったり、当初はボロボロでしたが、腐らず喰らいついてくれました。
そういえば、彼と一緒に広告代理店のサマーインターンシップ選考課題を考えたこともありました。
彼の言うとおり、原体験に由来する持ち味は誰にでもあります。しかし、それを経験に紐付けて、目の前の人(面接官)に伝えるには準備と練習が必要です。
しっかり鍛えて、本番に臨んで下さい。
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学生向け海外研修プログラムSingapore Startup Hack Program (SSHP)
2018年2月11~3月4日に開催される第6期のメンバーを募集しています。
春休み、海外で成長したい挑戦者の応募をお待ちしています。
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