スタンスをとる(意見を表明する)意味と、その方法:インターンシップブログ


SSHPでは折に触れて「スタンスをとる」(=自分の意見を表明する)こと重要性を説いています。

日常会話でも

秋風邪が落ち着いてきました。落ち着くとどこかに行きたくなります。インターンシップ事業をはじめて以来、いつかは海外で働きたいという希望を持つ学生さんによく会います。踏み出して揉まれることが一番なのですが、日本にいながらでも準備出来ることはあります。...

会議の場でも

「中立(ちゅうりつ)」という言葉は心地よいため、中立の立場であることを美徳とする人もいるようです。僕も耳障りの良いその言葉を魅力に感じます。ただ、海外に出るとことあるごとにスタンスを求められます。SSHPの研修生には、特に会議の場では中立になるなとア...
SSHP第5期のアクティビティを通じて、感じたことを書いています。前回は、研修生による外国企業へのコンタクトでした。ドタバタしましたが、3チームともSkypeミーティングと対面ミーティングを実行してくれました。SSHPの初回ミーティングは、お互いを知るためのカジ...

最近、この考えがますます強くなってきました。

特にそう思うようになった事例をふまえて、僕なりにスタンスをとる方法を考えてみます。

精神科医と宗教

SSHPでお世話になり、現在日本の大学に留学しているシンガポール人の友人とお話する機会がありました。

なにか話したいことがあって会うのではなく、たまにふらっと連絡して、どちらからともなく糸口をみつけて、議論になる。

友人は感情を制御するためにカウンセリングに通っていて、非常に高額だが効果があると言います。

興味を持った僕は、あれこれと質問しました。

  • それまで何箇所くらい試したのか?
  • それまでの医者は何が良くなかったのか?
  • どんな状況で何を話すのか?
  • どんなテクニックを授けてくれるのか?
  • どんな薬が処方されるのか?
  • 1セッションの料金は?

回答は省略しますが、友人は丁寧に答えてくれました。

あくまで僕が受けた印象ですが、内容よりも、友人が「この治療法が効果がありそうだ」と信じていることのほうが重要だと感じたので、僕は言いました。

精神科ってさ、効果だけ見れば宗教に通じるところがありそうだね。信じるものがあれば、それをきっかけに世界をポジティブに見られるようになり、事態が好転する、のような。

これに友人は猛反発します。

ぜんぜん違う。精神科は科学的なアプローチだけど、宗教は妄信的。そもそも私は宗教が嫌い・・・私が見てきた牧師なんてひどいものだった。

これら2つの主張(意見)にはズレがあります。僕は「どちらにしても信じられるなら心の安定に繋がる」と言っているのに対し、友人は「宗教は信じられないから、精神科と同列にならない」と主張します。

同じ土俵で議論が成立しているわけではないのです。

ですが、このズレに気付いた上で、かつ冷静さを失わなければ、とても楽しく議論できます。

その日は想像を越えていろんな話ができました。個人的な幼少期の宗教との関わり方、宗教に対する国のアプローチ、カトリックとプロテスタントの違い、時代とともに変わる心の安定を求める方法などなど・・・。

議論に決着はつきませんでしたが、すくなくとも不完全燃焼ではありませんでした。

議論の目的は相手を屈服させることではなく「今自分はこう考えている」と理解してもらうことにあります。このために、スタンスをとることは欠かせません。

文明の衝突

話題を変えます。

SSHP修了生の内定先で出された課題図書の一冊が、とても懐かしいタイトルでした。

「文明の衝突」サミュエル P. ハンチントン著

1996年に出版されたベストセラーで、当時の僕は難解さに挫折しました。現在、再挑戦中です。

その主張は2017年現在でも通用するどころか、重厚かつ細心で、メチャクチャ引き込まれます。この書籍の主論はについて:

冷戦後の「国際政治の中心をなすきわめて危険な特質は、異なる文明を背景とするグループ間の対立であろう」

このために、様々な地域の歴史、政治、経済などの観点から深く分析しています。

内容もすばらしいのですが、僕が感銘を受けたのは、考え抜いた主張を発表する勇気です。

この本は出版から21年が経過しています。大筋で揺るがなくても、細部では当然誤差が生じます。昔なされた予測が、現在の姿とは違う場合もあります。

初見で読めば「いやいや、こうなるって書いてるけど、今の現実は全然そんなことないじゃん」と批判されるかもしれません。書籍として出版されるなら、なおさらです。

批判覚悟で、信じる主張をぶち上げる研究者や作家の勇気は、そこに到るまでの研鑽を含め、敬意に値します。

スタンスをとることで、それにたいする共感、あるいは反感の意見が集り、進化していきます。最先端は、勇気ある主張の元に生まれると僕は考えます。

スタンスをとる技術(初歩)

とはいえ、僕は学生の皆さんに対して世紀の論説を世界にぶち上げろ、と言いたいわけではありません。

理解して頂きたいのは、必要な状況でスタンスを取ること自体が大切なのであり、それはだれでもできるということ。初期段階では才能も信念も不要です。(ただし、深く潜るうちに、いずれ信念は必要性に気づくかもしれません。)

例えば

今後日本は積極的に移民を受け入れるべきか

というお題があったとします。

判断できないなら、どちらでもいいから一方を選んでください。

仮に「受け入れ賛成派」を選んだら、受け入れる理由(人口低下にともなう労働力不足など)や、その影響(ビザ、職業訓練、言語、など)を片っ端から考えます。

考えられるだけ書き出したら、反対派が持ち出す意見を想定しましょう。

例えば、治安の悪化や、税負担など。

これだけで、対立する2つの視点で事案を捉える準備ができます。

この上で、あらためて自分が「今のところ」気に入る方を選べばいいのです。

繰り返しますが、ここまでは、誰にでもできる技術です。

このさきは、個人の好み・感情・信念など、客観事実だけでは測れない要素が出る領域です。

就活でも活きる

議論や読書など、自分とは縁遠いと感じる学生のために、就活に関連した話題を。

スタンスをとることは、就活においても有益、というか、納得行く就活を送った人は、みなさんスタンスをとっています。就活生の言語に変換するならば「軸を持っていた」ということになります。

本エントリーはSSHP第3期研修生で、現在明治大学4年生、2018年4月から総合商社で働くことが内定した湯谷亮介さんによる寄稿ポストです。経緯についてはこちらをご覧下さい。************新シリーズはMARCH就活生に伝えたい4つの学びを書いています。4つ目は、“本当...

業界を決める

どの業界に行きたいか分からない人、いますよね。

迷っている人が最初にすべきことは、大雑把でいいので「やりたいこと」と「やりたくないこと」を書き出すことです。

例えば「海外でビジネスをしたい」「お客様と直接関わりたい」「飛び込み営業はしたくない」「残業したくない」などなど。これら好みがあなたの「暫定的なすあんす」を形成します。

つぎに、IT、自動車、医療、人材・・・といった、業界をリストアップして、想像できる特徴を3つ、箇条書きして、「暫定的なスタンス」と比較して、近いか遠いかを考えてください。

自分の考えをまとめたら、次は人に会いましょう。気になった業界。の説明会に顔を出し、OB訪問で中の人に時間を頂き、正直に質問して、自分の認識とのズレを確認します。(自分に合いそうな業界だけでなく、良くわからない業界も見ておくことをオススメします。)

たとえOBや知り合いがいなくても、業界と求職者のマッチングサービス・アプリがあります。現代の日本の就活インフラを使えば、OB訪問ができない理由はありません。

先輩の話と自分の前提を比較して、業界の理解度を深めた上で、「やりたいこと」が多くて「やりたくないこと」が少ない業界(あるいは企業)、それがあなたが進みたい業界です。

単純すぎると感じるかもしれませんが、業界を絞れないのであれば、これくらい単純に始めたほうがいいのではないかと思います。

面接にて

SSHP修了生による寄稿ブログのなかで、「自分の意見を口に出す」という一節がありました。

本エントリーはSSHP第3期研修生で、現在明治大学4年生、2018年4月から総合商社で働くことが内定した湯谷亮介さんによる寄稿ポストです。経緯についてはこちらをご覧下さい。************寄稿ブログの最後は、商社に特化した面接の極意を書きます。僕が就活で培った...

これは「あなたは弊社の事業をどのように考えていますか?」という質問に対してスタンスをとった、ということです。

わかりません、では済まさないです。

スタンスは変更可能

さいごに重要なポイントを。

一度スタンスをとると、後に引けないと考えてる人がいるかもしれませんが、それは誤解です。

特に個人的な見解については、スタンスを変更することは問題ないと思います。

朝令暮改が過ぎると信用をなくしますが、議論や熟考の末にスタンスを変更することは、未知に対する柔軟な姿勢であり、成長へのステップだと思うのです。

「おまえそんなこと言って無かったじゃん」とからかわれても「しっかり考え直すとこうなった」でいいじゃないですか。

あなたは違うステージに進んでいます。

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