SSHP第1~5期の軌跡:インターンシップブログ


??????2018-05-06

Singapore Startup Hack Program (SSHP)の初回が2015年3月。以来、大学生の夏休みと春休みに合わせてシンガポールに渡り、現地スタートアップと協力した研修プログラムを運営してきました。

振り返ると「スタート」して「アップ」する(=立ち上げ)様子は不格好なものでしたが、それでも常に新しいことを考えながら進めてきました。第5期の終了を節目に、振り返ります。自分へのレビューですね。

第1期:反省しきり

現地研修:2015年3月16日〜27日(2週間)
参加人数:5名
受入企業:3社

期待や予想すらつかないまま始めた第1期は、まさにバタバタでした。

  • 募集をかけ始めたのが現地研修の1ヶ月半前。遅すぎです。アジトラ(今はタイモブ)の集客力に助けて頂きました。よく5人集まってくれたものだと思います。本当に来てくれるか自信が無くて、都心に来られる学生には、個別に会いに行きました。必死でした。教訓:キャンペーンは遅くても2ヶ月半前から。
  • 宿泊施設が分かれるのは仕方ないけれど、大きく離れたのは問題でした。同じ場所にステイしたチームには毎晩話ができたけれど、遠隔チームは一日おきに会って、チャットでのアップデート。教訓:全員近くに、できれば同じ場所に宿泊する。
  • 開始直前に、業務日報を書いてもらうことにしました。記録に残さなきゃ、人間は忘れるからというほぼ思いつきの案でしたが、これが多くの効果を生むことになりました。教訓:思いつきでも試して、検証すること。
  • 慣れて、考えて、動けるようになるには、2週間は短いと感じました。教訓:形にするには時間がかかる。
  • 「日本人、あるいは日本市場」というSSHPの意図が伝わっていない受入企業があったこと。企業選定を現地のパートナーに任せきっていたことが原因です。教訓:受入企業候補を厳選する。
  • 好奇心を持って関わり、とにかく実行して、何か生み出そうとする学生が強い、ということがわかりました。教訓:行動力は学力・英語力に勝る。

きつかったけど、良いこともありました。毎晩深夜まで話し込んで悩みを聞いたりするレビューの原型が出来たのも、第1期です。ほかにも営業で反応があったり、スタートアップから高評価を受けたり。

でも至らなかった点にばかり目がいく。このままじゃ終われない。こんな気持ちで2期に向かいます。

第1期メンバー

第2期:見えてきた・でも赤字

現地研修:2015年8月24日〜9月11日(3週間)
参加人数:3名
受入企業:2社

「日報+レビュー」のSSHPスタイルを見出したのが第2期です。

  • 前回の反省を踏まえ、3が月前に募集を始めました。が、思わぬ落とし穴が。「参加します」と口にした顧客(学生)たちが、こつ然と姿を消すのです。ドタキャンも数多くありました。教訓:入金されるまで気を緩めない。
  • 前回の反省を踏まえて市街地の格安ホステルに全員で泊まりました。しかし、皮肉なことに、2社とも都市部から離れた場所に。何のために移ってきたのやら。でも食事のオプションは飛躍的に増えました。教訓:勤務先との兼ね合いで場所を検討する。
  • 皆同じ場所に宿泊できたので、毎晩レビューをすることを公約にしました。日報を書いてもらい、それを基に話をする。チームの場合、交代でその日の出来事をまとめる。これをすることで、学生は自らの備忘録を作り、まとめて話す力をつけ、ぶち当たっている壁を付ける。SSHP主宰としては、「日報+レビュー」がメインコンテンツだと思えるようになりました。教訓:レビューを欠かすな、一日たりとも。
  • レビューをするうちに、なんとなく新入社員にOJTしているような感覚を覚えはじめました。そしてどこから手を付けていいのかが分からないケースが多いことが分かりました。第2期のテーマを「手描き」「可視化」に決めました。教訓:テーマを決め、それに注力する。

良いこと盛りだくさんです。でも、商業的には赤字です。流石に3人では費用すら賄えない・・・。こんな不経済なこと2度とやるかと思いつつも、なぜか第3期に向けて心が動きました。

第2期メンバー

第3期:プログラムの形ができる・疲弊

現地研修:2016年2月15日〜3月4日(3週間)
参加人数:5名
受入企業:3社

ようやくプログラムらしくなったのが、第3期です。とどまらず、新しいことに挑戦しようと決めました。

  • 相変わらずドタキャン、音信不通が続きましたが、気にしないことにしました。どれだけ考えても防ぎようがないものは、防がなくていい。教訓:良い顧客に注力する。
  • プレゼンをビデオ撮影して、良い点・改善点を見てもらうことにしました。言われただけじゃ自覚できないし、反発もあるので動画で思い知ることになります。iPhoneでも撮影できますが、三脚を立ててビデオカメラを回すほうが、緊張してくれます。教訓:自分の様を、見てもらう。
  • 1期、2期とまともな写真が残っていないことに気付き、Googleフォトに保存し共有することにしました。個人的に写真とる習慣が無いのですが、記録に残っていることは良いことだ、と思うようになりました。年齢でしょうか。教訓:後のために記録を残す。
  • テーマを強く意識してもらうために「全体課題」を課すことにしました。テーマは海外インターンシップで大切なこと。参加者が抽出した要素は「対話を通じて相手の望みを理解し、誤解を軽減する」「ゴールから逆算してスケジューリングする」というものでした。教訓:テーマが意識付けされるように、自ら考えてもらう。
  • ただし、テーマは研修生が自分たちで決めたものではなく、僕が出したお題から選ばれたものでした。教訓:自由な選択は、学生にとって高いハードルだ。
  • 女性の参加者が窓のないホステルの環境に慣れず、別のホステルに移動することになりました。教訓:住環境に繊細な参加者がいる。

プレゼンを録画するために日程調整し、機材を持って会社をまわり、毎晩レビューする。そこからタフな学生たちと数時間に及ぶ雑談をする。第3期が終わるころには憔悴しきりでした。充足感はありつつも、こんな疲れることもう2度とやるかと帰国し、およそ1ヶ月間引きこもり・・・なぜか第4期に向けて準備していました。

第3期メンバー

第4期:拡大、超疲弊

現地研修:2016年8月15日〜9月2日(3週間)
参加人数:9名
受入企業:5社

単体でようやく黒字化しました。が、5チーム・・・さらなる疲弊は予想できましたが、新しいことをする姿勢は変わりません。

  • 今回は多くの学生が居たので、全体課題のチームを2つに割りました。テーマ、性質の違うチームが2つあることで、なんとなく競うようになります。教訓:並べられると、自然と競う。
  • 2週目に入る頃、毎晩僕がやっていたレビューの時間を、チーム対チームで行うピアレビューをしてもらうことにしました。相手の言葉を理解し、状況を把握し、質問を出し、解決法を見出す必要があります。超難易度が高いです。面白いことに、ピアレビューで力を発揮する学生がいることを知りました。教訓:役割が人を強くする。また、隠れていた能力に光を当てる。
  • 第4期のテーマを「抽象化」としました。これは、第3期に学んだ「対話と逆算」というテーマを前もって語り、早い段階で認識してもらったから出来たことです。教訓:現役は、先人が積み上げた教訓の最先端にある。だから今が最高であるべきだ。
  • ホステルにベッドバグが発生し、改善が見られないために引っ越しすることになりました。僕の判断が遅れたことを後悔しました。SSHPは慎ましくワイルドなプログラムですが、貧乏バックパッキング旅行を体験するためのものじゃない。教訓:最低限の快適さは金で買う。
  • 每日5チーム、9名のレビューがあります。時間的制限から、関わりの薄くなる人が居ました。約束したことは実践していたし、来る者は拒まなかったまたのですが、皆がエクストラの時間を取りたがるとは限らないのです。仕方ないと思いつつも、割り切れない思いもありました。教訓:力を貸すなら、近くにいる人から。ただし、周囲に目を配ることを怠らない。
  • 体調不良で通院する学生の1人が旅行保険を契約しておらず、クレカの家族特約で対応することになりました。書類の確認や提出を含め、日本のご家族とのやりとりが予想外に煩雑でした。教訓:基本は海外旅行保険を契約してもらう。嫌なら全て自己責任で。

精神的にも肉体的にも、疲れきりました。ベトナムのリゾートもタイの屋台も僕を癒やすには足らず、一ヶ月間のリハビリ生活に入ります。もちろん気持ちは「もう2度とやるか」です。でもそうこうしているうちに「参加したいです!」という声が聞こえてきます。俺は顧客の声に弱いです。

第4期メンバー

第5期:近い未来を意識してもらう

現地研修:2017年2月13日〜3月3日(3週間)
参加人数:6名
受入企業:3社

自ら毎晩レビューするスタイルを取る限り、独力では大きな黒字は望めないということが分かりました。でも質を落としたくない。第5期は「上質に、そして赤字にしない」という気持ちで取り組みました。

  • 大学生のFacebook利用率が目に見えて落ちていることがわかりました。「いいね」をしないのではなく、純粋に見ないのです。広告を打つだけならInstagramがあるので大丈夫なのですが、ブログコンテンツという観点ではFacebookページのバリューが落ちていることがわかりました(SSHP的には、です。)教訓:常に新しいチャネルを探す。
  • 数値化出来る個人的な目標を決めてもらい、それを日報につけてもらうことにしました。結果、なあなあに終わった人もいると思います。僕が個人的にチェックしなかったということもありますが、予め自分事になる目標を設定できなかったからかもしれません。教訓:自主性を促すアクティビティは、吟味しないと曖昧に終わる。
  • これまでもそうだったのですが、自分で決めて動き出すことが難しい人もいます。基本的には本人が動き出すまで、助言しつつ見守るスタンスですが、そっと背中を支えるだけではなく、大きくはずみを付けてもらう必要がある人もいます。教訓:皆が同じように動けるわけではない。
  • 5期のテーマは、Make, Pitch, Shipです。作って、発表して、納品する。スタートアップらしいテーマ、5期目でようやくできました。教訓:真剣に削り上げれば、理想に近づく。

第5期メンバー

第5期における新たな取り組み
これまでのアイデアは、僕が提案し、参加者に実行してもらうのを見守るというスタンスでしたが、今回は僕が汗をかくことにしました。

SSHP終了時にいつも思っていたこと。帰国後、自分の立ち位置を知れるような、どこに向かえばいいのか、道標になるようなモノが欲しい。

1人ひとりに作って送ることにしました。題して、Value Martix。資質を3種類に分け、更に2段階分化させたもので、今の強み、今後の課題を記したものです。

Value Matrix イメージ

 

これに、仲間からみた自分の長所と、僕からのアドバイスを添えて、お送りしました。これが全てではありませんが、出発点として、目安になることを祈ります。

教訓:顧客の幸いを願え。

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ふぅ〜次は何をやろうかな。やっぱ第6期かな。