質問を理解して、考える(SSHP5研修記):インターンシップ・ブログ


今週からSSHP第5期の直前研修である「オンライン課題」を開始しました。僕からLINEグループ宛にメッセージで課題を送り、研修生が制限時間内に課題に取り組み、個人的に回答を提出する、という仕組みです。

ここから3週間、研修生には「企業」「市場」「コミュニケーション」を意識した英語の宿題が課されるのですが、正直なところ、研修生の英語力については気にしていません。また、語弊があるかもしれませんが、回答の内容ですら、場合によってはそれほど重要ではありません。

僕が見ているのは、

設問を注意深く読み込んで、適切な回答を出すために考えているか

これに尽きます。

12月20日に出題した設問を例に、説明いたします。

課題

Singapore co-working space rings in $5.5m seed round for expansion in Southeast Asia (出典:Tech in Asia)
1) What do you think are the general benefits of “co-working space”?
2) What is special about Spacemob?
(制限時間:25分)

「シンガポールでコワーキングスペースを運営するSpacemobが550万ドルのシード資金を調達。東南アジアに展開」という記事に対して2つの設問に回答せよ、という課題です。

自分の意見を問われたら、サラッと答える

「コワーキングスペースの良さとは、なんだと思いますか」という質問ですが、”do you think”がポイントです。「あなたの意見」が問われています。

コワーキングスペースについて少しでも知識があるのなら、そこからメリットを想像して、を英訳すればそれで完成します。3分もかからず出来る人もいるでしょう。全く知識がないのであれば、「コワーキングスペース」「メリット」で検索して解決です。実際検索すると、トップにLIGが提供する「初めてのコワーキングスペース利用の前に知っておきたいメリット・デメリット8選」という記事がヒットしました。この記事だけで、コワーキングの簡単な説明と、メリットが6つも紹介されています。同感だと思えるポイントを選んで、英訳すれば完成です。5分とかからずクリアできます。

こんな簡単でいいの?と思えるかもしれませんが、合わせて25分という制限があるなかで、要求に答えるのも研修の要旨のひとつ。「自分の意見」でいいのなら、サラッとそれを述べる。全く知らないものは、検索して自分が納得するものを選ぶ。それでOKです。

難問に直面したら、出来ることを考える

「Spacemobのどこが特別なの?」これ、単純な質問にみえますが、超難問です。

唯一(オンリーワン)や、業界初(ファーストワン)は証明が難しく、反証されやすい主張です。どれだけネット検索を繰り返したとしても、ありとあらゆる可能性を検索しつくすのは人間業では難しく、スーパーコンピュータの領域です。それに、事例が必ずしもネット上にあるとは限りません。逆に、反論となる証拠が1つでも見つかると、主張は退けられるのです。

東京だけでも100を超えるコワーキングスペースがあり、世界的には万単位であると推察されるコワーキングスペース。その中で、Spacemobが特別である・・・これを20分で証明するのは難しい。実現不可能なことがあるのであれば、可能な方法を考えればいいのです。たとえば

  1. まずは、記事で紹介されているSpacemobの特色を抜き出す
    • 「Spacemobを中心としたテック・コミュニティの形成」
    • 「土地建物の所有者と密接に連携した運営」
  2. で、それらが本当に特別なのかを調べる(実は記事の中で特別性が否定されています)
    • 「Spacemobを中心としたテック・コミュニティの形成」 >> Loopのようなコンセプト
    • 「土地建物の所有者と密接に連携した運営」 >> アメリカのWeWorkに近い
  3. ならば、自社サイトで何を売りにしているのかを検証
    • 「都心部」 >> 街なかのコワーキング、たくさんあります
    • 「優れたデザイン性」 >> 比較基準がありません
    • 「会議スペース」 >> 特別ではありません
    • 「会員特権(健康保険やホテルでの優遇レート)」
    • 「コミュニティアクセス」 >> 特別ではありません
    • 「イベント」 >> 特別ではありません
  4. 会員特権というのは珍しくないですが、その中でも健康保険のシステムがある、というのは聞いたことが無いです。

調査の仕事であれば、ここから健康保険特約があるコワーキングの有無を調べるのですが、おそらくこの当たりでタイムアップになるでしょうから、残った時間で要点を絞って書きます。

I dug into the article and the company website of Spacemob and found the following features;

  • Central location
  • Design-first Workspaces
  • Meeting & Event Spaces
  • Member Privileges including health insurance and preferred hotel rates
  • Community Access
  • Weekly Events

According to the article, the company works very closely with property owners so that Spacemob can serve as the efficient and cost effective co-working operator.

しかし、これではつまらないので、ここで自分の考えを付け加えるのもいいかもしれません。

None of these points are purely unique to Spacemob.  That said, I believe the success of Spacemob lies in the speed of execution and the competency of community managers with clear understanding of Spacemob’s concept as well as the local market.

もちろん、これは考え方の一例で、模範回答でもなんでもありません。会社ブログまで調べて特異な点を見つけるのかもしれませんし、全世界ではなくアジア地域と限定して検証する人もいるかもしれません。「アジア30都市」に着目した人もいるでしょう。

内容は問いません。不可能に直面したら一歩引いて、制限の中でできることを考える習慣を身に着けて下さい。一生役に立ちます。

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学生向け海外研修プログラムSingapore Startup Hack Program (SSHP)
第5期を、201721333日に開催します。
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