「海外に出る仕事」をイメージする ①現地で採用される:インターンシップブログ


??????2018-04-19

SSHP参加者や参加検討した人を含め、海外で仕事をしたい日本の学生に会うことが多いです。活躍の場を広くとらえる考えは素晴らしいですが、考えているだけでは叶いません。語る本人が強くイメージを持つ必要があります。

一口に海外と関わると言っても、沢山ルートがあります。

  • 海外で採用・・・外国で、現地企業、あるいは日系企業に採用される
  • 海外に赴任・・・日本で採用され、駐在員として海外に赴任する
  • 海外に出張・・・日本で採用され、必要に応じて海外に向う

今回は、海外で採用される場合ついて具体的に考えてみます。

 海外で現地企業に雇用される

必要資質:
 > 語学力 – 現地人と同程度の外国語力
 > スキル – 現地人を圧倒する知識、経験

キラキラしてカッコいいですが、新卒で目指すのは、日本の大学生にとって現実的なルートとは言えません。知識と経験が足りないからです。「新卒」という観念が薄い海外(特に欧米)では、大学出たての若者にとって職を手にするのはとても難しいのです。企業側に育てるという考えはなく、会社にとって必要な仕事を全うできる戦力が測られます。そのために、大学生は授業で知識を学び、インターンシップで経験を身に着けようと必死です。面接に際しては、それを目一杯に膨らませて堂々と語ります。

ニューヨークのホテルに併設された喫茶店で人を待っていたとき、たまたま隣のテーブルで、ホテルコンシェルジュの面接が行われていました。やり取りはこんな感じです。

面接官:「で、君は何ができるの?」

志願者:「人の心を読み、お客様の財布を開かせることができます。僕はコーネル大学でホスピタリティ経営を学んで、シェラトンでのインターン時代には、得意客向けのアップグレードキャンペーンでグループで一番の営業成績を取りました。僕くらいの年齢の奴らは自分が何をやりたいかわかっていませんが、僕は違います。常に最短で最高のゴールにたどり着けます。」

日本だと面接官が苦笑いするほどの押しの強さですが、それが普通です。

加えて、外国人にはビザの問題もあります。たとえ彼らと同じくらいの経験があり、語学に堪能だとしても、条件が同じであれば、現地の学生が選ばれます。国にもよりますが、ビザのスポンサーになるのは企業にとって支出で、手間もかかります。よほど大きなメリットがない限り、新卒の外国人の採用は難しいでしょう。

中途採用をねらうなら、在職中に知識と経験を磨くことはできる分、新卒で目指すよりはハードルが低くなるかもしれません。しかし、上記の条件に加えて専門分野での蓄積とマネジメント経験が求められます。決して楽ではありません。

ニッチな狙い目:

日本市場の進出を検討している海外企業であれば、日本人であることが強みになります。ただし、それをきっかけに採用された場合、うまく行かなければすぐに解雇される、うまく行ったら日本勤務になる可能性があります・・・。

海外で日系企業に雇用される

必要資質:
 > 語学力 – 現地人と十分にコミュニケーションとれるレベル
 > スキル – 企業による

・・・しかしこれも新卒では簡単ではありません。海外拠点の目的は、生産・販路の拡大ですが、知識のない新人にいきなり海外生産拠点の管理を任せるというケースは考えにくいですし、販路の拡大であっても、社内の事情がわかっている社員を赴任させるほうが理にかなっています。現地のマス市場を狙う企業であれば、なおさらでしょう。

中途採用であれば、一気に可能性があがります。もちろん専門性のマッチングと、現地採用に足るほどの実績を上げていることが前提になりますが。

新卒でも中途でも、このような企業を狙う場合、海外就職専門の日本エージェントを利用する手もあります。行きたい国や専門分野で就職先を絞り込むことができますし、履歴書やインタビューに際してアドバイスを受けられるので、条件が合えば素晴らしい職場が紹介されます。

余談ですが、日本からの赴任者と現地採用の日本人社員が混在している場合、けっこうな摩擦が生まれます。同じ仕事をしていても、赴任者が優遇されるからです。現地採用社員では赴任手当、家族手当、住宅補助などのメリットがありません。

ニッチな狙い目:

現地の日系顧客(法人 or 個人)を相手に商売する会社であれば、少しハードルが下がります。理由は、高い外国語力が求められないケースがあるからです。社内の公用語も日本語と現地語が入り乱れる環境で、顧客に対しては日本語が堪能であることが有利に働きます。

アジアのある国の、日系企業のメガネ屋さんで働くスタッフさんに話を聞いたところ、学生時代に洋服屋さんのアルバイト経験を買われて、新卒で現採されたとのことでした。お客さんは現地の日本人が過半数で、使う言語は日本語と英語が半々。

ただし、急成長している企業の海外支店は職務規程も体制も整っていないことも多いので、ビックリさせられるかもしれません。

海外で起業する

必要資質:
 > 語学力 – その国で商談できる英語+現地語レベル
 > スキル – 革新的なビジネスプラン

異色のルートですが、国を問わなければ、海外で起業するのが「海外で働く」目標を達成する簡単な道になるかもしれません。必要なのは、アイデアとプランであり、スキルではありません。多くの国がスタートアップ向けのビザをプロモートしています。たとえばイタリアでは2014年と2015年に提出された47の申込の内、過半数の25に対してビザが発行されたようです。イタリアでは設立のためには50000ユーロ必要ですが、デンマークではこの規程がありません。

ただし、起業家ビザの発給はその国でビジネスを始める許可証にはなりますが、立ち上げて成功させるのは別の話。手がかりのない外国でチームを集い、サービスを作り、販売し、拡大するのは一筋縄では行きません。相当な運と執念が必要です。海外に住みたいという理由だけで続けられるひとがどれほどいるのか、疑問です。

 

以上、「海外で採用」の3つの可能性について説明しました。いずれも簡単でないことがお分かり頂けたかもしれませんが、実際このルートをたどる人は、ハードルなんて気にせずをガンガン乗り越えていくきます。

半年ほど前、インドの某IT企業でエンジニアとして働きたいという学生の相談を受けたことがありました。日本での就活を放棄した彼のプランは、データマイニングを専門とする企業でのインターンシップと同時並行に英語を勉強するという地道な積み上げに加え、狙っている企業に対してLinkedInで直談判するという正面突破から、展示会に突撃インタビューするという不意打ちまで、実に多彩なものでした。その後どうなったのかはわかりませんが、頑張っているところは想像できます。

目指すものを鮮明に想像できれば、それに向う道筋も具体的になります。あなたはどのルートを選びますか?

追記:

SSHP出身者でシンガポールの現地企業に新卒採用された人がいます。

一般的な日本の大学生の就活は、3年春に開始して、4年の夏までに行き先を決める、という流れが一般的です。以前海外で働くことについて書きましたが、新卒の日本人が海外現地で働き口を見つけるのは簡単なことではありません。 ですが、それを実現したSSHP卒業...
SSHP第6期では、畠山ひかるさんにお時間をいただき、シンガポールのローカルレストラン"Tian Tian Seafood Restaurant"でお話を伺いました。畠山さんはSSHP第1期に参加して、新卒でシンガポールの現地企業の内定を勝ち取り、昨年夏から働いています。「成...

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学生向け海外研修プログラムSingapore Startup Hack Program (SSHP)
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