大学生ができる準備「まずは、良い顧客であれ」:インターンシップブログ

「社会人と話すと、知識や経験の差に圧倒されて何も言えなくなるんですよ」と嘆く学生さんがたまにいます。ちょっともったいないです。

個人的には「しょせん学生」という意識は危険だと感じています。とくにSSHPを立ち上げてこのかた、その想いは強くなりました。学生はあなどれない。凄まじい能力、バイタリティをもった大学生も沢山います。目の前にいる人が、たまたま学生あるいは社会人、という状態であると考えたほうがいいです。

と言いつつも、フルタイムで仕事をしたことが無い日本の学生が、社会人と仕事について有意義なディスカッションをするのは難しいと思われるかもしれません。

まずは、この意識をあらためましょう。有意義な会話とは、必ずしも対等の知識や見識をぶつけることではありません。お互いにとって刺激や発見につながるならば、むしろ学生特有の経験の浅さは、強みにすらなります。

高校を卒業してすぐ、学生服を着ている生徒たちが急に幼く見えたりしませんでしたか?

この数倍のインパクトが、大学生→社会人への移行で訪れます。

新卒1年目の社会人であっても、4月1日になった途端、長年持っていた学生目線はすっかり失われます。社会的立場は、それほど大きく人の視点に左右するのです。だから、社会人にとって、現役大学生が独自の目線で語る意見は新鮮で貴重なのです。

では、どうすれば大学生が独自の意見を持つことができるのか。良い顧客になることをおすすめします。

なぜ「よい顧客」が、独自視点につながるのか、説明します。

良い顧客は、支出の流れを説明できる

商業社会において、社会人は、いかにして顧客に物を買ってもらうかを考えています。そして、大学生とは大きな消費グループの1つです。社会人は、学生の消費の理由を知りたいのです。

「◇◇で知って、〇〇で、△△だと思ったから、購入した。」

この伏せ字部分を説明できると、社会人は喜びます。

◇◇(きっかけ)の例

  • ニュースアプリ
  • ネット検索
  • 知人の紹介

◯◯(基準)の例

  • 評価が高かった
  • 知人(友人・家族)の評価が高かった

△△(結果予想)の例

  • 自慢できる
  • 役に立つ
  • 気分転換できる

SSHPの例だと、「Insta広告が表示されて、たまたま参加してた友人が絶賛していたので、自分の将来のために、申し込んだ」という感じですね。

ここまででも流れになってはいるのですが、好奇心の強い人は、更に深く聞きます。「FacebookとInstaだったらどちらの広告をクリックし易い?」「内容について深く考えた?それとも衝動的だった?」「自分の将来って、例えば海外で働きたいの?どんな仕事をしたいの?」・・・尽きません。

良い顧客は、的確に意見する

実際買ってもらったら、次は継続、あるいは拡散してもらいたいと、社会人は考えます。鍵になるのは、サービスの改善です。

あるSSHP参加者のお父様は、家族旅行でホテルや旅館に宿泊するとき、良いサービスを受けたときは仲居さんを絶賛し、サービスに足りない所があれば、厳しくしてきしていたそうです。子供心としては面倒くさいと感じていたそうですが、立派な行動だと思います。

褒められれば嬉しいし、的確に批判されれば正そうと思うのが人間です。営業職のお父様は、自分が言うことが改善につながるかもしれない、という想いがあるのではと思うのです。

別の人からは、こんな話を聞きました。

「うちのサークル50年の歴史があるんです。発足当時から打ち上げで使っていた個人経営の居酒屋があったんですけど、分煙が全然改善されなかったので、私の代で別のチェーン店を使うことにしました。」

↑のような意見もすごく面白いです。まず「分煙」が進まなかったから、という点。伝統すら霞むほどにタバコを忌避する若者がいる、という事実が見えます。そして「チェーン店」。個人経営よりもチェーン店のほうが分煙に積極的、ということなのでしょうか。

どんなサークルで、どれくらいの規模なのか。打ち上げの頻度は?新たなチェーン店を選んだ基準は、(分煙はもちろん)味で選んだのか、雰囲気だったのか?・・・やはり興味は止まりません。

良い顧客は、ハッキリ断る

学生・社会人、関係なく、Noというのは一番難しいです。

良い顧客は、購入に至らなかった時も、その旨を伝えます。これが出来る人は稀です。自分も心苦しいし、相手をがっかりさせることが目に浮かぶ。

でも、基本的に営業マンは、案件をクローズしたい(=YesかNoかをハッキリさせたい)と考えています。然るべき理由があって延期されるならともかく、宙に浮いたままでは検証が出来ないからです。

売れなかった理由は、ある意味売た理由よりも大切なのです。製品やサービスは、様々な前提をもとに作り、販売されているのです。売れないとは、何かが間違っているということです。その何かを企業は常に考えています。

「自分が求めているものと違った」「信用できそうになかった」「他社のほうが魅力的に見えた」・・・こういったお断りのセリフはキツいものですが、企業にとって貴重です。

良い顧客でありながら、企業側の目線も持ち合わせて、クローズする意識を持つ学生。魅力的に映らないはずがありません。

 

**********

SSHP5期生は、どんな見解を見せてくれるのでしょうか?渡航まで1ヶ月、楽しみです。