「自分が思う常識は、実は常識ではなかった」SSHP7体験記②:インターンシップブログ

第8期に向けて準備真っ只中ですが、SSHP第7期の体験記第2弾。

3年の夏、国内のインターンシップではなくシンガポールを選んだ研修生のノートです。

参加理由とバックグラウンド

中学生の頃から海外に興味をもちだし、高校では絶対に留学をしたいと考えていました。国際交流を積極的に行っていて、一年間の留学が可能な高校へ入学し、1年生の時に2週間オーストラリア、2年生から3年生にかけて1年間アメリカへ留学しました。それから大学に入って2年生の夏休みを利用して1か月間イギリスへ留学しました。

英語で会話をすることに恐怖心だったり、苦手意識は全くありませんでした。

SSHPに参加した理由は主に2つです。

1つ目は、夏休みの1か月を海外で有効活用したかったからです。大学生の夏休みは本当に長くて、海外に行くすごく良いチャンスです。大学3年生になって就活が本格化してきたこともあって、海外でインターンシップができたら、一石二鳥だと思いました。

2つ目は、行ったことがない国で、自分の英語力でどこまで実力を発揮できるのかを試してみたかったからです。SSHPに参加するまで、東南アジアの国に行ったことがありませんでした。シンガポールは、東南アジアの中でも初心者向けだとよく言われましたが(笑)、私には大きな一歩でした。

どんな会社で、何をやったか

Fortitude Capital Groupという投資会社で、ICO*案件のデューデリジェンス**を2件やらせていただきました。ちなみに私のパートナーは、ドリアンの市場調査をやらせていただいてました。どちらもとてもシンガポールらしいと思います。

シンガポールの仮想通貨における規制は日本よりも寛容的なので、たくさんの案件が流れてきます。そこで実際にICOのイベントへ社長が同行させてくださったことがありました。

*ICO: Initial Coin Offering – 仮想通貨による資金調達法。国により規制環境が大きく異なる。
**デューデリジェンス – 企業、市場、プロジェクトなどに対する精査・適正調査。

難しいと感じたこと

正直に言いますとフィンテックは苦手部門で、大学生活においてもずっと避け続けていました。仮想通貨やブロックチェーンの知識は全くなく、ICOの存在さえも知らなかったので、ICOのデューデリジェンスといっても、どういった情報が必要なのか全くわかりませんでした。

ネットで検索したり、ヤスさんにたくさんアドバイスと知識をいただきながらで、本当に手探り状態でした。どんなに自分が苦手な分野のものでも、最低限の知識はつけておくべきだなと改めて感じました。

参加してよかったと思うこと

まず1つ目は、上述した通り、自分が苦手だと感じていた分野に嫌でも向き合えたことです。

ICO関連のイベントでは、シンガポールらしいオープンな人間関係を見ることができました。おそらく日本にいてこのような経験はできなかったと思います。どのように出資者を募るのかだけでなく、その場を利用して投資者同士がどのように人脈を広げていくのかも自分の目で見ることができて、非常に興味深かったです。

それから、バックグラウンドが全く違う6人と3週間共に過ごすことができたことも良かったです。年齢も出身地も大学も本当にバラバラでした。だからこそ衝突してしまうことも多々ありました。

いろんな考え方の人がいて、自分が常識だと思っていたことが実は常識ではなかったのだと気づかされる場面が何度もあり、それらを受け入れられるようになって、自分はもっと器の大きい人間に成長できたと感じることができました。自分が直さなければいけない点にも気づかせてくれて、その度に今まで気づかなかったということは、周りが受け入れていてくれたんだなと感じることができました。人間関係は本当に難しいです。けれども異国の地で築く人間関係は、今までの全ての経験から、言葉にはし難い、良い意味で独特な絆が生まれると思っています。

これからやりたいこと

今は正直に言いますと、就活のことで頭がいっぱいです。このSSHPでの経験を、いかに就活で活用することができるかを考えています。

あと、英語は私の一生の課題です。私は有り難いことに英語が大好きです。社会に出て、英語力が自分のコンプレックスになってしまうのはとても悲しいことなので、これからも磨いていきたいなと思っています。

それともう一つ。社会に入って一般常識やビジネスマナーが全くわかってないなと思われないように、秘書検定の勉強をしたりもしています。これも私がしたいことの一つです。

何か特別に自分のやりたいことが見つかるまで、いろいろなことに挑戦して、探求し続けたいと思います。

コーディネータの後書

彼女にとってSSHPの学びは、僕に言わせていただくなら以下のようなものだったのではないかと思います。

知らないことだって、短期間で身につけられる

ICOとは上記注釈のとおり、仮想通貨による資金調達のことです。スタートアップ界隈の人であれば聞き慣れた単語かもしれませんが、そうでない人にとっては得体が知れない響きがあると思います。

彼女にとってもICOは初耳だったようで、コンセプトを理解するところから始まりました。

大変だったかもしれませんが、結果、「ICOについてちょっと詳しい女子大生」になったのではないかと思います。100人ランダムに集めたら、トップ5には入ってくれるのではないかと思います。

未知のものを学ぶ前は非常に怖いものですが、わかってしまえば案外どうってことないものです。これを機会に、新たな領域への挑戦が広がればいいな、と思います。

勇気を持って決めて、堂々と言う

ICOとは投資なので、イエスかノーかを判断する必要があります。

もちろん最終決定はボスが下すものですが、ボスに対して自分の意見を作っておき、それをぶつける必要があります。

この際、インターン生は悩みます。「自分の未熟な知識や経験で意見を言って良いのか」と。

これについての僕の答えは、「そうすべきだ。でないとボスに対して不親切だ」です。

ボスの状況はいつだって異なります。そのプロジェクトに対して知識がある場合もあれば、皆無なことだってあります。

デューデリジェンスを任せられたら、まず事実を調査します。しかし、それだけではありません。

大事なのは、発表の際に「私はこの案件に投資するべき(ではない)」と意見を表明するべきだと僕は信じています。

彼女はそれを実行しました。勇気を持って。

結果的に、2例とも彼女の結論はボスの想定に沿ったものでしたが、僕は、そうでなくてもよかったと思います。意見が沿ったことは自信になりますが、うまくいくよりも、意見が別れて火花が散るほうが、経験としては貴重だと考えるのは・・意地悪かもしれません。

いずれにせよ、やり遂げた彼女のことを、僕はとても誇らしく思います。

よい就活ができますように。

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