極論。でもここまで生きてきた:CEOインタビュー:インターンシップブログ

SSHP第4期がいよいよスタートしました。今回はスケールアップしてローカルスタートアップ5社に9名がアサインされました。

初日は受入企業であるDivegraphyのCEOであるHaryanto Soemito氏と少しだけお話をする時間がありました。とても魅力的だったのでシェアします。

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Haryanto Somemito – Divegraphy 創業者

>>> Divegraphyのローンチおめでとう。

Haryanto(以下、Toto):先週マレーシアで大きな展示会があったんだけど、それに合わせてアルファ版を公開したんだ。見ての通り穴だらけだけど、来場者の反応は上々だったよ。

>>> スモールローンチだよね。

Toto:見ての通りこれから工事していかなきゃならないんだ。今はまだまだだけど、世界中のダイバーがアジアのダイブスポットを目指してDivegraphyに集まるようになるビジョンは見えてる。成功させるよ。

>>> 今回のインターンにはどんなミッションを与えるの?

Toto:1週目はアジア中のダイブスポットに関する調査を手伝ってもらう。同時にマーケティングのコースも履修してもらうかな。といっても学校のコースじゃないよ。僕はオンラインマーケティングの会社も運営していて、そのノウハウと絡めた実践的なカリキュラムを用意してる。ちょっとストレスがかかるかもしれないけれど、短期間だし、いい意味で負荷がかかるほうがパフォーマンスは上がると信じてる。正直言って、学校で学んだことの95%は役に立たないと。

>>> 極端だね、そして同感。でも100%役に立たないとは言わないんだ(笑)

Toto:(笑)100%とは言えないよ、システムを全否定する気はないから。でも本当にそう思うんだ。思えば現場で学んできたことがいまの僕を支えてる。

>>> 連続起業家らしい答えだなぁ。

Toto:僕は自分を”entrepreneur(起業家)”だと思ったことはないよ。ただ生き延びようとしていただけで。

>>> Totoのバックグラウンドは?

Toto:子供の頃、家族の方針でシンガポールに移住したんだ。その当時は大学を出たら大企業か役所に勤めるのが一般的な考え方で、そのためにはシンガポールの教育が色々とメリットがあった。でもディプロマまではとったけど、結局大学卒業の資格はとらなかった。性格に合わたなかったんだね。

最初に働いたのは13才のころ、マクドナルドだった。それから自分のカフェを開いて、その当時はバリスタもシェフも金庫番も全部自分でやった。数店舗経営するようになって、売却することにしたんだ。いまでも飲食には関わっているけれど、運営というよりは開業や経営のコンサルもやってる。もちろんDivegraphyには100%コミットしてるから、稼働率はそれに上乗せされる。

>>> 何の知識もなくカフェを始めたの?さっき学校教育については見事に切り捨てていたけど。

Toto:いや、美味しいコーヒーを淹れるためのバリスタ養成コースには通った。いいコースだったね。自分が絶対に使うことになるハンズオンの技術を学べたんだから。

>>> カフェ立ち上げと経営を通じて何を学んだ?

Toto:今はダイビングという自分が好きな趣味を仕事にしているけど、自分で立ち上げたカフェでビジネスのイロハに携わったことは全て生きている。顧客満足度向上のための意識、運転資金の管理、ネットワーキングの方法まで。業界は違っても、ビジネスを動かすという点で共通するものは多くある。

極論かもしれないけれど、学ぶ側の準備ができていれば、学校で教えられる全てのことはオンラインで学べるんだ。Googleのおかげだね。最近はFacebookやTwitterも本当に役に立つコースを無料で解放してる。逆に言えば、必要という意識がなければ、シンガポール国立大学もハーバードも無駄になる。

 

>>> 今後はDivegraphyをどうしたい?

Toto:さっき言った通り、ビジョンはクリアだ。だからたどり着くための作業を一つ一つ進めていくだけだよ。例えば日本人は、たとえ読めても英語のプラットフォームには抵抗があるんじゃないかと思うんだ。だから今用意している沢山のオンラインコンテンツ、ブログも含めて全てローカライズする。反応を見ながら他の言語も同時並行で進める。もちろんダイブショップへの営業も一つ一つ、だよ。シンプルだろ?

>>> ゾクゾクするね。期待してるよ。東京にも遊びに来なよ。

Toto:日本は是非とも行かなきゃならないスポットなんだ、公私共に。まだ行ったこと無いんだけど。寿司屋に行きたいんだ。シンガポールの旨い寿司屋は高い!!

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ひとくちにスタートアップCEOといっても、バックグラウンドは様々です。大企業が欲しがられるような学位とスキルを身につけて起業する人から(シンガポールには多いです)、履歴書を一瞥しただけで拒絶されるような人まで。

共通するのは、煩雑さを厭わないこと。「シンプルだろ」と笑いながら言うTotoの具体的な工程を考えると、気が遠くなりそうです。それを大変だとこぼすのではなく、やることが見えているからシンプルだと言い切るマインドは、起業家にとって大切な資質なのでしょう。

歩いてきた道を踏まえて自信を持って「実践と応用が全て」と言い切れるTotoの周りには明るくハードワーキングな仲間が集まります。

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研修生のMaiさんとDivegraphyのLeeSum、そしてToto

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