良いプレゼンをしたいなら、良いリスナーになろう:インターンシップブログ

SSHP第5期。

予定していた全ての初回プレゼンが終わりました。

忙しいなか、会ったこともないチームメイトと遠隔で連絡しながら、よくここまで作り上げたというのが僕の感想です。

しかし研修生の多くは、緊張や事前調査の甘さから、満足のいくプレゼンが出来なかったと感じています。自分で思っていた以上に、上手くプレゼンできない。それが現実です。ぶち当たるまで分からないのが現実なので、それを感じて貰えてよかったと思います。

もちろん、みんなには満足の行くプレゼンが出来るようになって欲しいです。ただ、プレゼンは一日にして上達するものではありませんし、機会も限られています。

僕が研修生に、そしてこのブログを読んでくれている人におすすめしたいのは、良い話し手になる前に、優れた聴き手であることです。

日本人は、聞き手に回りがち

多国籍グループにおいて、どうしても日本人は口を閉ざしてしまいがちです。国民性という言葉で片付けてよいものかわかりませんが、僕の肌感覚では、この傾向は顕著です。ぶっちゃけ勇気を出して口を開けば、周りは聞いてくれます。ただ、これができない人もいる。

どうしてもできないならば、逆にその状況を利用しましょう。聴くことで自分の価値を高めることができます。

聴くとは、極めて能動的な行為

そんな受け身でいいのか、と思われるかもしれませんが、それは誤解です。漫然と人の話を聞いているだけでは、何も残りません。僕が意味するのは、傾聴です。傾聴とは、「聞こえている」ではなく、意志を持って相手を理解するために、意識を向ける行為です。

なぜ傾聴するのか?

正しく理解するため

人の指示、意見、意図を正確に汲み取るのは至難の業です。SSHPインターン生は、事前研修で、そして現地で、嫌というほど思い知ることになるのですが、大小あれど、みんな気持ちいいくらいに誤解してしまいます。なので、話し手を正しく理解することは、当たり前のようですが、とても大きな価値になります。

まずはタスクの目的を確認しよう(インターンシップブログ)

話し手の注意を惹きつけるため

社内プレゼンをするとします。参加者の役職はディレクターから一般社員まで、数人。プレゼンは全体に向けるべきですが、なかでも決定権を握る人(通常は最上役)に語りかけるべきです。しかし、ディレクターの注意が散漫になったとき、話し手はどうなるのか?自分の話を聞いてくれている聴き手を、無意識に選んで話をするようになります。

ベストな状況とは言えませんが、話し手の心情を考えると、これは当然のことです。無反応な壁に向かって話してもつまらない。

考え、コメントを練るため

状況にもよりますが、プレゼンターの意見、主張が100%納得、理解され、何の疑問のなくOKが出ることは稀です。もしオールOKが続くとしたら、それは出来レースです。社内プレゼンを聴くのは、情報を得るためだけではありません。話し手に対してフィードバックを与えるためでもあります。これをする気がないなら、プレゼンに参加するべきじゃないとすら思います。

傾聴するには?

聴く目的をハッキリさせる

自分なりに、このプレゼンを聴くことで何を得たいのかを確認します。これは、話し手と聴き手の関係性が大きく関わります。聴き手の立場がメンターであれば、フィードバックと助言をすること、インターン生であれば、社員の意志と自分の役割を確認すること、などなど。ここをハッキリさせておかないと、聞いてハイおしまい、ということになります。

姿勢を正す

話し手に向かって、「自分は傾聴している」という態度で望むと、自然と言葉が向かってきます。具体的にどうすればいいかというと:

  • 背もたれを使わず、気持ち前のめりに座る
  • 身体を話し手に向ける
  • 目線はスクリーンではなく、話し手に
  • 笑顔で、でも真剣な眼差しで
  • 理解したときには、大きく、ゆっくりと頷く

これらをテクニックだと思わないでください。本当に聴く気があれば、自然と上記の姿勢がとられます。ただし、全てを満たすには、プレゼンター側の努力も必要です。自信なさそうだったり、ストーリーフローがガタガタだと、聴き手も集中を持続させることは難しいですから。

途中質問をためらわない

プレゼンというと、話し手がAからZまで話し終わって、そこからQ&Aという流れを想像してしまうかもしれませんが、僕は必ずしもそれが正しいとは思いません。1対100のプレゼンならともかく、数人に対してであれば、なるべく双方向的であるほうが、活気が出ます。なんでもかんでも質問すればいい、というわけではありませんが、その場でクリアにしなければならない疑問は、その場で解決する。この姿勢は大切です。

SSHP第5期でインターン生を受入れて頂いているスタートアップ”Uncharted” “Divegraphy” “Trabble”の3社は、傾聴のレベルが極めて高い。みんな、凄くラッキーです。

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これまでに傾聴を意識したことが無かったひとは、是非試してください。上に書いたメリットに加えて、話し手の気持ちを汲むことにもなりますし、プレゼンの場の外でも、人が話しかけてくれるようになります。

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Unchatedのコミュニティ・マネージャーは、傾聴の姿勢を崩さない。