「大学生に本は必要か?」についてのアンサーポスト:インターンシップブログ


SSHPの終了生の中に、自主的に勉強した内容まとめや感想を每日Facebookにアップする強者がいます。とにかく継続していることに対して、少なからぬ僕は敬意を払っています。「自主的に」120本以上ネタを挙げるということができる人は、なかなかいないと思います。

そんな彼が「読書」について考えを披露していたので、僕も大学生にとって読書のメリットについて考えてみます。

許可を得て、一部引用します。

[番外]僕は読書習慣をつけるべきか(vol.118)

「成功者は必ずと言っていいほど読書家である」とは良く言われている事です。また、学校の先生や両親等、身近な人からも、「読書は素晴らしい物だ。だから、お前も読書しなさい」なんて良く言われました。しかし、僕は滅茶苦茶、読書が嫌いです。そこで、今日は読書嫌いを直すべきなのかを自分なりに考えてみた。
(かなり勝手で荒いです。お許し下さいm(._.)m)

まずは「読書をするメリット」について。3つのサイトから引っ張ってきた。

https://the5seconds.com/reading-meritan-advantage-4920.html
https://www.nomad-cafe-20.com/post-1820/
https://ukiakat.com/book-merits/

・問題解決能力がつく
・表現力が豊かになる、語彙が増える
・論理力がアップする
・アイデア力がつく
・人間力がつく
・好奇心がよみがえる
・マネーメーカーになれる
・先人の知恵を簡単に学べる
・ストレス解消になる
・知らない世界を知ることができる
・専門的な知識が広く深く学べる
・自分の無知を知ることができる
・情報処理能力が高まる
・記憶力が良くなる
・集中力を手に入れることができる
・ボケの予防になる」

これらメリット一つ一つに「ネット vs 本、どちらが有意か」を書いてくれていますが、結論としては

ただただ情報を得るという事だけに焦点を当てれば、別にネットだから劣るという事はないように感じた。金も抑えれますしね。ただ、専門的な知識、深めの知識で本に分があるのも事実。ネットで調べつくして、コレは本でないとダメだ!と感じてから本に移行するのでもいいのかなと個人的には思った。

だそうです。極論を躊躇せず投げ込む彼にしては大人しい結論です。「本なんて僕の人生には不要」とか青く尖ってくれると面白いのですが、人は大人になります。なんとなく寂しさを感じる理由は、僕も、結論としてはH君に近いからです。

ともかく、では読書について考えてみます。

ここ数年、大学生の読書量は横ばいに近い微弱

ところで最近の大学生の読書量ってどうなんでしょうか?

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1日の読書時間(出典:第51回学生生活実態調査の概要報告

ハイライトを。

  • 2015年、一日の平均時間は28.8分で、前年に比べて14年に比べて2.9分減少。
  • 同年、まったく読まない層が急増して45.2%。
  • 13~14年にかけて「30分未満」が7.4ポイントの大幅減。「60分以上」が4.9ポイント伸びています。トータルで見ると読書量は増えた期間です。
  • 14~15年にかけて、読書層である「60以上」と「30~60分」が増減し、「0分」が急伸。トータルで読書量は減った期間です。

このように、16年の数字が是非ともみたいところです。

余談ですが、「スマホが読書の時間を奪っている」とは、必ずしも言い切れないようです。

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(出典:第51回学生生活実態調査の概要報告

赤枠の箇所が、スマホ利用時間と読書量です。相関がわかりやすくするためにグラフにしてみます。

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シンプルに相関とは言えそうにないですね。読書する人は、以外にスマホも使っているようです。もしかするとKindleアプリなど、スマホで読書している人は2重でカウントされているかもしれませんが。

まぁ、平均時間はともあれ、大学生の半分近くが全く本を読まないというのは、なかなか衝撃的です。以下では、なぜ読むのか、という視点で考えてみます。

読む目的(本であれ、ネットであれ)

あらゆる読書を一括りにするのは無意味です。便宜的に、読書の目的を大きく2つに分けます。

学習的リーディング

身につけるべき学問や知識・見識の習得や、情報の収集を目的とするリーディングです。学校の教科書や、参考書、指南書などがこれに当たります。NewPicksや、僕のブログもこれに当たります。読み手の動機は「楽しさ」よりも「有益さ」が先立ちます。

娯楽的リーディング

個人の趣味、嗜好を満たすための読書です。小説、漫画などが娯楽的リーディングの媒体になることが多いです。表面的には投資というより消費と受け取られることが多いです。心のバランスを保つための投資だ、という論には賛成です。しかし本来は「好きだから読む、好きじゃないから読まない」という性質のものなので、娯楽的リーディングはここでは無視します

学習的リーディングにもいろいろある

彼は「情報を得る」ことを読書の目的としているので。学習的リーディングを指しているので、学習ティリーディングを細分化します。

最新情報の収集:1年未満

最新情報の収集や、短期的学習はネットとの相性がいいです。ブロックチェーンなど、黎明期にあり、自分の知識が及ばないものを知る「とっかかり」となる学習であれば、インターネットが最新です。1分前に公開された情報だって得ることができます。「浅い」という人がいるかもしれませんが、浅くていいのです。あくまで「とっかかり」です。

短期的な学習:数年

歴史は浅くても、短いサイクルで有用性と汎用性が実証されれば、観念と具体性を併せ持った、いわゆる「ノウハウ」がもてはやされます。ネットにもノウハウが溢れていますし、書籍化もされます。たとえばB2Cアプリを運営する経営者が上梓したグロースハックのサイクルなど、ネットでも本でもあります。どちらに触れてもいいと思いますが、上の例で、仮にグロースハッカーを目指すなら、とりあえずネットで勉強すればいいのではないかと思います。色々調べてわからなければ、Kindleアプリで本を購入して、それでもわからなければ著者にコンタクトすればいいです。

この数年を持ちこたえて、数十年以上のスパンで語られるようになれば、コンテンツは次のステージに上がります。

普遍的な教訓の習得:数10年~数100年

ドラッカーの「マネジメント」や、カーネギーの「人を動かす」など、時代を超えて読み継がれる本にはそれなりに価値があるのでしょう。ただし、大学生の時点で身につけるために読みこなすのは至難です。これらの本は抽象度が極めて高く、経験というか、実体験に欠ける学生には自分ごとになりにくいかもしれません。具体と抽象化についてはこちらを参照してください。

平たく言えば「よくわからなくてツマラナイ」状態に陥り、挫折しやすいのです。重厚な本はハードルが高い。

では、もっと実用的な、例えばプログラミングの教科書などはどうか?テキストブックはとても良くできています。でも、それを排除してオンラインで提供するという取り組みに教育系スタートアップが挑戦しています。教科書をデジタル化するのは難しいことではありません。

ではでは、孫正義さんが愛する司馬遼太郎の「竜馬がゆく」など、小説はどうか?

残念ながら、胸が熱くなり、モチベーションの原点となるような本は、学習的というより娯楽的で、個人の好みが色濃く出ます。名著ではありますが、娯楽的リーディングは今回の主論ではありません。

 

ということで「とりあえずネットから」というHくんの意見に賛同します。大学生に読書は不要だと言ってるわけではありません。ネットであれ、本であれ、活字を通した学習という意味で共通しています。個人的には、学生だからというよりは、本人の成熟度に比例して(=具体的な経験を抽象化できるようになって)本の有益さが増すと思っています。