寄稿:「ここは僕の居場所じゃない」から抜け出し、“考える”人になろう。~挫折と共にMARCHへ進学が決まったあなたへ

本エントリーはSSHP第3期研修生であり、現在明治大学4年生、2018年4月から総合商社に入社を決めた湯谷亮介さんによる寄稿ポストです。

経緯についてはこちらをご覧下さい

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大学4年間も終わりに近づき、ふと入学時の自分を振りかえってみました。就職活動を終えた今と、入学時の僕とでは色々なことに対しての考え方が変わっています。

完全に心が折れた入学時から、転機となったSSHPへの参加、その後の様々な活動を経て今の自分があります。

この記事は、もし今僕と同じように受験勉強で結果が出ず、不本意な気持ちで大学に入学する人がいるなら、その支えになって欲しいと思って書きます。

はじめに

高校時代までに追い求める目標の一つは、結局「偏差値の高い大学に行くこと」だと思います。そして大学受験が終わった時、自分という人間が“大学”という所属と共に見られる傾向にあると思います。だから、目に見えない格差のようなものを感じてしまう人もいます。僕はその一人でした。

僕の高校は毎年大勢の東大合格者を出す、有名な高校。浪人までして行き着いた大学は、300人以上いる同期が現役でも10人程度しか行かないMARCHの一角、明治大学でした。

学歴なんて関係ないは綺麗事

「結局、学歴は関係ないよ」

この言葉をよく耳にしました。これは、正しくもあり間違ってもいると思います。心から大学で人を評価している人は少ない、社会に出てから学歴で判断はされない・・・そうなのかもしれません。特に親友関係にある人達の中では問題ありません。ですが、それは綺麗事だとも思います。現実には就職活動、バイト選び、自分を何も知らない人からの評価など、色々と影響します。

ここで大切なのは、学歴を嘆くのではなく、現状を受け入れた上で高い目標を達成するためにはどうするかを考えることです。精神的な弱さや目標設定のミスなどが主な原因で、入学試験でよい結果を出すことはできなかった。じゃあ、自分は何だったら人よりうまくできるだろう、努力を続けられるだろう、それを考えることが重要です。

僕の場合は、行動力でした。大学に入ってから行動力を強みにしようと決めました。多くの人は、行動を起こす前に悩み、それを言い訳にします。例えば、留学費用を貯めたいけれど、今のバイトの時給では間に合わない。でも次のバイト先もリスクがよぎって決められず、段々今の環境が快適になり結局現状を変えられないことなどです。

「もし失敗してしまったら・・」を気にしすぎると自分の可能性を潰します。大学生にとっての失敗のリスクはそれほど大きくないのに、多くの人は行動できない。他の人があまり得意でないからこそ「やってみる」を大学生活のテーマに決めました。

出来る人=「よく考えて動いた人」だった

就活を終えた今、これを実感しています。

高偏差値の大学には頭が良い、確かに頭の回転が早い人が多くいると思います。ですが、「賢い」のと「優秀」はちょっと違います。優秀な人は、単純に論理的に話せて頭の回転が早いだけでなく、大学に入ってから、”よく考えた”人だと感じます。

賢い人と優秀な人の最も大きな違いは、思考に実行が伴っているかどうかだと思います。単に頭が良い人に留まらず、目的を考え目標から逆算して行動に移せる人が優秀だと思います。

だからと言って、留学や海外インターンシップなどに参加した人全てがすごいのではありません。何のために目の前の時間を使うか、分からないなりにも考え、動き続けることこそ意味があると思います。

就活で自己分析を強く推奨されますが、それは「何を軸にこの大学生活を過ごしてきたのか」を会社が知りたいからです。僕の周りのMARCHの学生で、業種問わず自分の目指す仕事に就けた人は、全員これが明確でした。

就活が始まってから自己分析を始めるのではなく、寝る前や風呂、電車の中など、普段の生活の中のふとしたタイミングで現在の自分を分析している人が多かったです。

大学の名前に関係なく、様々なインターンシップで出会った優秀な人や内定先の同期を見渡しても、“考えて動いた”人が多いです。

“考える”習慣を付けるには、“考える”人のいる環境に身を置くことをオススメします。では、どうやってその最適な環境を見つけるのか。

一つはゼミだと思います。人気ゼミに入れば良いと言っているのではありません。勢いがあって、当事者意識を皆が持って活動しているゼミが良いと思います。学生団体に所属して受動的に機会に飛び込むのではなく、まずはゼミなど主体的に何でも良いので活動することをオススメします。

というのも、得にMARCHでは考えて学生生活を送っている人と、そうでない人の差が激しいです。その中でゼミは、“考える”人が集まりやすい場所の一つなので、良い刺激になります。そして、自分が目標とできる先輩にも出会えて、様々な方面に人脈も形成できるので一石二鳥です。

大学時代に“考えた”人になれば、学歴とは別軸で自分を見てもらえるようになります。

まとめ

以上のことから、僕は願っていた評価を受けることができました。なので受験後の「こんなはずじゃなかった」という気持ちは2年生までに捨てた方が良いです。気持ちを切り替えろと言っても、すぐには人間難しいので徐々にで構いません。

それよりも、“考える”人になるための道筋を考えてみて下さい。バイト選びや取る授業など、小さなことから目的や意味を考えましょう。そして、最初の一歩が踏み出せた時、何か明確なアウトプットを出すことにこだわるのがポイントです。例えば、「この授業は絶対Sを取る」とか「今月は絶対10万貯める」など、工夫をしたら達成できる目標を設定して、乗り越える経験をたくさん積みましょう。その過程で自信が付き、大きな一歩に繋がります。

次回は大きな一歩を踏み出すにあたって、「“口”に出す重要性」について書きます。

高校生時代の湯谷さん

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SSHPコーディネーター後書

上も下も、比較を始めるとおよそキリがない、これが僕の結論です。僕は高校時代の学力が低かったので「明治大学?すげーじゃん」と思ってしまいます。一方でどうしても東京大学に入学したかったけれど、かなわず早慶に甘んじてしまった人もいるでしょう。少し外に目を向ければ、東京大学であっても国際ランキングではトップ10入りもしていません。

比較というのは、第3者目線で結論(傾向など)を導き出すためには有用ですが、当事者として上下を見渡しても、それ自体にあまり意味がありません。ちなみに、僕が考える相対的な受験学力(≒偏差値)とは、ある程度磨きをかけることができる一芸のようなものです。つまり興味の才能の差が出ることはあるのです、主に興味の大小に左右されるのですが・・・。

とにかく、できなかったことを悔やむ思考から抜け出して、有意に時間を過ごすほうが幸せです。湯谷亮介の場合は目標を定めて動くことだったようです。

次はどんな記事を書いてくれるのか、楽しみです。

余談ですが、他人が自分のプラットフォームのために書いてくれた文章に手を入れる難しさを感じました。過度な飛躍や不足分は本人に加筆修正してもらい、細かいところは僕が修正したのですが、それも過ぎると勢いや個性を侵害しそうで怖い。

寄稿:「口に出す」から全てが始まる。~挫折と共にMARCHへ進学が決まったあなたへ