アルバイトはどう選ぶべきか:インターンシップブログ

前回のブログで書いたとおり、大学生にとっての財産=キャッシュではないと考えています。時間は将来に対する投資という視点で選んで頂きたいと思っています。

さて「コンビニで4年間バイト続けました」と「メガベンチャーを4社渡り歩きました」とか「ケニアで水道を引く手伝いをしました」とでは、キラキラした後者のほうが刺さる、と思う人も多いかもしれませんが、僕は必ずしもそうではないと思っています。多くの企業は人柄の次に「どこで何をしてきたか」という実績よりも「どう考えて何を選び、何を学んだか」を重視しています。その思考に加えて、実績やアクションのインパクトがあれば強みが増すのです。

そんなわけで、アルバイトの選び方や基準について、考えてみたいと思います。

近い将来、どうなりたいのか?

まずはここからです。バイトで何を得たいかは、近い将来どうなりたいかで決まるからです。

年次が低いうちは、卒業時点ではなく就活開始時を目標にしたほうがわかりやすいです。未来の自分をガチガチに固定することはできないと思いますが、それでもなるべく具体的な未来の自分を想像するのです。例えば「グループワークに欠かせない調整役になる」とか「どんな状況でも瞬時にアイデアを5個出せる」とか「浅草を外国人に案内させたら私の右に出る人は居ない」とか。

なりたい理想像が出来たら、理想の自分と今の自分を比べて、欠けている点を洗い出して下さい。例えばさきほどの浅草の例だと、いま足りないのは・・・

  • 浅草スポットの絶対的な知識
  • 専門用語を英語で言えない
  • 表情が硬い

などなど。これらを補うためにアルバイトを選べばよいわけです。

何を得たいか?

アルバイトの目的はお金を稼ぐということですが、それだけではありません。わかりやすい順に並べると

  • お金
  • 知識(会社や業界に関する)
  • スキル(IT、マーケティング、オペレーション、営業、販売、デザイン)
  • コミュニケーション能力(社内・社外)
  • 出会い

といったところでしょうか。でも将来のためという視点では、優先順位が全く異なります。僕が大学生にオススメしたいのは

  • 出会い
  • コミュニケーション能力
  • 知識
  • スキル
  • お金

の順番にするでしょう。そして、1つの目的にこだわらず、2軸、3軸で考えながら柔軟に選びます。例えば、「出会い・知識」とか「出会い・コミュニケーション・スキル」のように。

どんな特性があるのか?

選ぶ際の2つ目のポイントは、その仕事の側面です。前項の「何を得たいか」と混同しないように、気をつけて下さい。例えば「楽なバイト」というのは得られることではなく、特性です。

  • 賃金(高い↔低い)
  • 所属期間(長い↔短い)
  • 拘束時間(長い↔短い)
  • 稼働日数(多い↔少ない)
  • 関わる人数(多い↔少ない)
  • 身体的疲労(多い↔少ない)
  • 競争率(高い↔低い)
  • 募集人数(多い↔少ない)

見ての通り、高低・大小・強弱など、両端がある特性は選ぶときの指標になりやすいですね。この評価は自分で下して下さい。自分にとって高いのか低いのか、楽なのかキツいのか、ということですね。

どんな仕事があるのか?

無数にあります。塾講師、ウェイター・ウェイトレス、コンビニスタッフ、ポスティング、テッシュ配り、リゾート、新聞配達、イベントスタッフ、キッチン・厨房、倉庫スタッフなどなど・・・。とにかく興味を持てそうなアルバイトを書き出してみてください。

比較してみる

自分が得たいもの(軸)と職種のリストが決まったら、ポジショニングマップを描いてみましょう。人から聞いたり調べたり、少しは情報収集したほうがいいと思いますが、あまり考えすぎずにエイヤで手描きで十分です。

名称未設定

注:この図はあくまでイメージです。人によって違います。

長く続けるべきか否か?

自由に決めてください。気まぐれにではなく、状況に応じて判断すればいいのです。例えば、カフェ定員としてのオペレーションや接客については一通りわかったということであれば、その時点で何をしたいのか、何ができるのかを考えるのです。調理に俄然興味が湧いたのであれば、「賃金・出会い」から「賃金・(調理)スキル・出会い」にして、厨房への配置転換をお願いしたり、別のバイト先を探すこともできます。

あるいは奥深さに感動してずっとそのバイトを続けるのもいいと思います。ただ、それが近い将来の自分の理想像に近づけるようなものでないと、後々ギャップに苦しむことになるかもしれません。

 

将来のことなんてあまり考えたくないかもしれませんが、目標をたてて仮説検証を繰り返しながら進む人と、場当たり的に動く人とでは大きな差が生まれます。

どんなバイトでもいいです。できれば、楽しく、一生懸命、そして未来の自分に繋がるようなバイトを選んでみてください。

僕は大学生のころ、介護施設、銀行、新聞編集・記者のインターンを掛け持ちしていました。全部有給で、半年以上の長期でした。告白しますと、何か基準があって選んだわけではありませんでした。

今僕が選べるのであれば、劇場スタッフや、森のレンジャー、あとはWhole Foods Marketのスタッフでもやるかなと思います。

理由は「夢、信念、哲学など、人が生きるのに必要なことを考えている人が沢山いるから」です。

SSHP第4期でも、人生についていろいろ話し合うことになりそうです。