SSHP第6期研修生が綴る、自由テーマのブログ第2弾!
前回からガラッと雰囲気をかえて、カラフルなファッションのお話です。
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こんにちは!SSHP6期生の皷谷美佑です。今回、私が初投稿するブログの題材に選んだのは、ずばり「プラナカン文化」です。中でも、伝統衣装である「サロン・ケバヤ」に関して詳しく取り上げます。
東西の様々な異文化が混在する多民族国家であるシンガポールならではのプラナカン文化の根ざし方。今回のブログを読んで「サロン・ケバヤ」に興味をもった女性たちに、ぜひ色違いのサロン・ケバヤを着てシンガポールを巡ってもらいたいなと思います。
きっかけ
シンガポールは小さな国ですが、多くの博物館があります。代表的なものでいうと、シンガポール国立博物館、シンガポール美術館、ナショナル・ギャラリー・ミュージアム、シンガポール・シティ・ギャラリー、そして、今回私がプラナカン文化に興味をもつきっかけとなった「プラナカン博物館」…。
全部回りきるとなると、長期滞在しないとできないぐらいです。中には、滞在中に訪れた中で個人的に大変面白いと感じた「おもちゃの博物館」なんていう一風変わったものもありますが、多数ある博物館の中でも「プラナカン博物館」は、2008年に開館した、比較的新しい博物館でありながら、多くの観光客に人気のある名所となっています。
さて、私が今回のテーマに「プラナカン文化」を選んだきっかけ。
それはいたって単純で、現地でバスに乗っているときに 地図アプリ(シンガポールのバスは停留所のアナウンスがないので、土地勘が無い乗客はアプリとにらめっこ状態で乗っています)で地図を眺めて停留所を調べていたら、ふと「プラナカン博物館」という文字が見えたからです。なんて単純!(笑)聞きなれない単語に引っかかりを感じて、のちのち調べてみると、なんとも可愛らしい雑貨や衣服の画像が出てくる出てくる…!
そしてなんと、カトンという地区ではプラナカンの伝統建築がのこる建物がそのまま多数保存されているというではありませんか!あまりの可愛さに、試しにインスタで「プラナカン」と検索すると、いかにも「インスタ映え」な写真がたくさん。
そして私は思いました。「シンガポールは、日本からも近くて毎年多くの大学生が旅行で訪れるはず…。プラナカン文化を中心にした、新たなシンガポール旅行のスタイルが作れるのではないか!?」と…。
中でもとくに私が、これからシンガポールを訪れようとしている女子学生のみなさんにおすすめしたいのが、プラナカンの伝統衣装「サロン・ケバヤ」です。私は数年後(?)シンガポールの街中に、「サロン・ケバヤ」に身を包み、カトン地区や「プラナカン博物館」を訪れる学生が溢れることを願ってこのブログを書いています(笑)
プラナカンとは?
さて、長い導入を終えてやっと内容に入るわけですが…これだけプラナカンと言ってきて、プラナカンとはそもそもなんぞや?と思った読者のみなさんに説明したいと思います。
プラナカンとは、15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた、中国系移民の子孫のことです。シンガポールが属しているマレー半島は、古くから何百年にも渡って東との交易で栄えていました。多くの物が行き来する中で、自然と中国やマレーの文化に加えてヨーロッパの文化が混ざり、人々は独自の生活文化を作り上げてきました。交易のためにマレー半島へやってきた中国系移民たちは、やがて現地の女性と結婚し、華やかな文化とともに根付いていきます。
マレー語で、「〜生まれの子供」という意味をもつのが「プラナカン」という単語。つまり、プラナカンとは「中国系移民の子孫でありながら、マレー半島に生まれた子供」のことだと言えますね。日本人に馴染みのある言葉で言い換えると、「ハーフ」というところでしょうか。
サロン・ケバヤとは
プラナカンの女性用の民族衣装はバティック(ろうけつ染めで作った布)で模様を作った生地で作られており、「サロン・ケバヤ」と呼ばれています。ひとまとめに言われることが多いですが、実は上下で名称が分かれています。
ケバヤ・・・刺繍が施されたブラウス(上)、生地は薄め、ボタン代わりのブローチで前面を留める。
マレー半島では、プラナカンの男性のことをババ(Baba)といい、女性のことをニョニャ(Nyonya)と呼んでいます。ニョニャ、って言いづらいけど可愛らしいですよね。ニョニャ。「ニョニャ・ケバヤ」と呼ばれる民族衣装は、刺繍、ビーズ、レースなどを使って華やかに仕上げられています。また、ウエストシェイプされた美しい形なので、シンガポール航空のCAの制服にも取り入れられているそうです。体のラインがはっきり浮かび出る制服なので、着る側はとても大変ですし、着る人も選びますね。シンガポール航空はCAの制服の評判が高いことで、CA志望の女子学生憧れの制服とも言われ有名ですが、まさか「サロン・ケバヤ」だったとは…驚きです。でも納得です。(笑)
シンガポール航空の制服。ん〜、みなさん美しい!制服も相乗効果発揮してます!
ケバヤにはボタンが無いため、代わりに「クロサン」という三連のブローチで前面を留めます。
プラナカン文化の特徴は、ビーズや刺繍、透かし彫りなどの繊細なで華やかな装飾と、カラフルな色使いです。カラフルさはケバヤよりも食器や建造物に反映されているように思えます。そして、繊細な装飾はこのブローチにも表れています。翡翠や真珠を用いることもあったとか…。洗濯はまず諦めるしかないですね(笑)
また、ニョニャはブレスレットやネックレス、イヤリングを好んでつけてきました。ケバヤは、アクセサリーを好むニョニャたちのために七分袖丈ですべて作られています。なんて合理的!シンガポールをはじめとしたマレー地域は年中気温が高いので、なるほどぴったりな服装ではありますよね。私が女子学生のみなさんに「サロン・ケバヤ」をおすすめしたいのはこういう理由もあるんです!
サロン・ケバヤをおすすめするワケ
ここまで読んでくれた読者の方の中には「サロン・ケバヤ」に魅力を感じてくれた人もいると思います。なのでここからはさらに具体的に、個人的におすすめしたい点をご紹介します!
⑴【大人数旅行におすすめ】色や柄の種類が豊富!おそろいコーデがしやすい。
これからシンガポールにやってくる女子学生のみなさんは、仲の良いお友達と一緒に2人以上のグループで旅行に来ることが多いのではないでしょうか?仲の良い友達とおそろいコーディネートや色違いコーディネートをすると、写真を撮る時にもさらに仲の良さが出ていいですよね!日本国内ではテーマパーク内やライブ会場ぐらいでしかできないおそろいコーディネートや色違いコーディネートも、異国の地でなら恥ずかしくありません!
色を選ぶ時は、自分の好きな色を選ぶ方も多いと思いますが、実はアイドルオタクな筆者は、こういう時には好きなメンバーのイメージカラーを選びます。共感してくれる読者の方はいませんか?(笑)
何が言いたいかというと、異国の地で買った一度きりしか着ないであろう民族衣装を、日本国内でライブのときにもう一度着るチャンスがあるっていうことです!民族衣装でライブに行けば、「人とかぶることもない。目立てる。ファンサがもらいやすい。」良いことだらけですよね!
⑵【インスタ映え必須】カトン地区をはじめとしたシンガポールのあらゆる街並みの中に溶けこめる!
多くの女子学生のみなさんは、Instagramというを利用しているのではないでしょうか?そして、昨年の流行語にもなった「インスタ映え」を意識して写真を投稿する人も少なくはないと思います。「サロン・ケバヤ」はこんなときに大活躍してくれます!
シンガポールは、プラナカン文化を色濃く残すカトン地区をはじめ、チャイナタウン、リトルインディア、アラブストリートなど多様な文化が根ざす地域が多く存在しています。もちろん、どの地域にその地域の文化を反映した素敵な観光名所があるでしょう。
そこを訪れる際、せっかくの思い出にのこす写真を撮るなら、着る服も思い出に残るようなものを選びませんか?「サロン・ケバヤ」はプラナカンの伝統衣装ですが、その文化の起源通り、様々な文化を融合させたものであるため、シンガポールのどの地域に着ていっても溶けこめるのです!すごい!たとえばチャイナドレスはチャイナタウンで、ムスリムの衣装はアラブストリートにフィットしますが、「サロン・ケバヤ」はどうでしょうか?東西どちらの文化も含んでいるため、溶け込めますね!また、サロンとケバヤは必ずセットで着なければいけないということもないので、ジーンズに合わせたり、Tシャツと合わせたりしても素敵ですよ!
サロン・ケバヤを着るためには?
サロン・ケバヤを中心にプラナカン文化の良さをお伝えしてきましたが、実際にサロン・ケバヤを着てみたいと思ったら、どこで入手することができるのか?をお教えします。
出発前に買い揃えたい!と思った方には日本国内で入手する方法をお教えしたい…と思ったのですが。現在日本国内でサロン・ケバヤが入手する方法は、楽天市場か、Amazonです。
これ以外にも、もしかしたら日本国内の民族衣装を取り扱う店舗では入手できるかもしれませんが、確認は取れませんでした…。まだまだ日本では認知度が低いようですね。
つづいて、シンガポール国内での入手方法をご紹介します。
⑴カトン地区のお店に足を運ぶ
個人的にはこの方法が一番いいと考えています。理由としては、「実物をみながら選ぶことができる」「店員さんに選んでもらえる」ことが大きいです。おすすめのお店は、ガイドブックでも多数紹介されている「ルマービビ(Rumah bebe)」。お店の中は写真撮影NGなのでご注意を。ここにはサンダルをはじめ、多数の「サロン・ケバヤ」が販売されています。
私が訪れた際には店頭には女優の加藤夏希さんのお写真を見つけました。多くの日本人も訪れているみたいです。お店の方も日本語で少し話してくれるなど、とても親切です。気になるお値段はサロン・ケバヤ両方それぞれ100ドル〜250ドル前後とお高め。ですが品物は良さそうです。サロンはサイズも豊富なため、店員さんに試着をさせてもらいながら選んでもらうと間違いないでしょうね!
⑵プラナカン博物館のミュージアムショップに足を運ぶ
もう一つのおすすめは、シティにあるプラナカン博物館に併設されているミュージアムショップに足を運ぶことです。カトン地区は市街地から少し離れているため、なかなか移動が大変という方にはこちらをおすすめします。カトンのお店よりも規模も小さく種類も少なめではありますが、置いてあるものは一級品です。値段もこちらのほうが少し安いものも置いてあった印象です。訪れたときには、店員の方が気さくに話しかけてくれていました。試着もできると思います。
https://peranakanmuseum.org.sg/
まとめ
いかがでしたか?このブログ記事を通して、少しでも「サロン・ケバヤ」の魅力が伝われば嬉しいです。美しい伝統衣装の「サロン・ケバヤ」ですが、私はひとつだけ問題点があるとすればやはり「価格」だと思います。シンガポールで100ドルといえば、日本円で約8000円相当。なかなかすぐに決断できる買い物ではありませんよね。
でも、私はこの値段を払ってでも買う価値はあると思います。なぜなら、女性の憧れがすべてつまったデザインと、自分だけの組み合わせで着こなせる楽しさ、そして何よりシンガポール特有の多様な文化を取り入れることで体感できると思うからです。これまで何度もシンガポールに来ていたという人も、「サロン・ケバヤ」のことは知らなかった方が多いのではないでしょうか?これを機に、旅のお供に一着取り入れてみてはいかがでしょうか。これからシンガポールに来る予定の女子学生のみなさんも、一生の素敵な思い出作りにために、素敵な衣装に身を包んでみませんか?
女性の憧れと好きを詰め込んだ「サロン・ケバヤ」。このスタイルが日本でも認知度が高まって、より多くの人が身につけている時代の到来を楽しみにしたいと思います。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!!
筆者
SSHP第6期生、現在都内の大学に通う大学3年生。これから就活本番を迎えるという時期にSSHPに参加し、多忙なスケジュール管理に悩みながらも充実した日々を送る。趣味はライブ参戦。男性アイドルを中心に、気になったアーティストのライブには必ずチケットを入手し、参戦。「百聞は一見にしかず」がモットー。何事もまずは知らないと語れないから。オタク気質あり、でも好きなものほど辛口で評価しがち。好奇心旺盛なB型一人っ子。
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コーディネータ後書
鼓谷さんがエンタメやカルチャーに興味があるとは聞いていたのですが・・・好きなものがある、というのは強みですね。
僕自身もペラナカン様式のデザインはカラフルでいいなぁと思っていましたが、「スタイルの提案」という切り口で書こうとは考えもしなかったと思います。
就活生でもあるので、自分の好きと仕事の折り合いをどう付けるのか、悩みは尽きないと思いますが、好きなものを大切に温めながら進んで頂きたいと思います。
僕もお手伝いします。