「明確な」ゴール設定と共有・・・チームワークの初期動作:インターンシップブログ

SSHP修了生の悩みや気になることをお題として頂いて、一緒に考えていくブログエントリー

第一本目は資金繰りについてでした。

資金繰りの考え方:インターンシップブログ

本日はチームワークについてです。チームメイトとの関係についての相談は複数頂きました。ゼミ、サークル、職場・・・どこにいても人間関係の問題はあるものです。

以前、ゼミでグループに分かれて課題に取り組みました。ここで結果を残した班が学内のコンテストの代表になれるというものでした。

 

私たちは選ばれませんでした。選ばれた班は個人個人がストイックにやっているが、班の仲は悪い。 私たちは班の仲はいいが、量が少ない。

 

後々ゼミ内の何人かがこの件を話したとき、仲がいい班はだめだよね(結果がでないよね)と云われました。言っていることはわかるんですが、仲がいい(雰囲気がいい)=結果がでないというところが引っ掛かっています。

 

私は同じグループの人が悲しんでいたら悲しいし、それを取り除くことで一緒に頑張りたいと思います。このグループでよかったと相手に思ってほしいです。
そのためにモチベーションをあげたり、できることをしたいです。

丁寧な説明、ありがとうございます。

さて、残念ですが・・・既に起きてしまったこの状況を改善することは難しいです。

そして僕は、人を慰めるのが不得意です。スミマセン。

なので今後のために、この状況を避けるために何をすべきか考えてみます。

チームのゴールを共有する

こうなってしまうには、理由があります。

ワークを始める前のゴール設定と意思統一が不十分だったと察します。

SSHP参加者なら100回は聞いたと思いますが、すべての仕事のあらゆるレベルにおいて、目的(Objective)とゴール(Goal)を設定すべきです。前者は「なぜやるのか?」後者は「どういう状況をもって終わりとするか」ということでしたね?

生産性を飛躍させる仕事の段取り「フレーミング」:インターンシップブログ

目的があるチームは強いです。

野球でたとえます。仮に2つのチームの個々の実力が同程度だったとします。甲子園で優勝を信じているチームと、野球がしたいという理由で集まったチーム・・・おそらく試合で強いのは前者です。

目的がはっきりしていて、それが共有されていれば、個々の役割も明確になるのです。

今回のゼミのグループワークも同じ理屈です。チームワークであれば、チームとしてのゴール地点を明確にして、合意しておく必要があります。目指すところによってその過程が違ってくるからです。わかりやすくするために、2つの異なるゴールを例に挙げます。

ゴールA:ゼミ内選考をパスして学内一位を獲る・・・(外的な目的)
ゴールB:ROEの観点から企業○○の5カ年計画を提言する・・・(内的な目的)

お気づきかもしれませんが、ゴールは目的(Objective)に左右されます。Aの目的は「就活に役立つ実績を作りたい」で、Bの目的は「ゼミで学んだファイナンス理論を実践してみたい」かもしれません。

いずれにせよ、アプローチが異なると想像できるはずです。

仮に僕が「ゴールA」を選択したチームに所属するなら、過去の勝利チームのプレゼンを全て確認して、「勝つため」のポイントを探りに行きます。勝利チームの先輩がいるならば、その人に話を聞きに行くでしょう。

個人的な役割を設定する

上で述べたゴールは、チームとしてのゴールです。これを達成するために、個人としての目的とゴールも必要です。ここから見えてくるのが、「自分の役割」です。

内容は個人が決めれば良いのですが、チームの状況によって自分ができることを判断するべきです。要は、どう貢献するのか、ということですね。

引き続き野球を例にします。甲子園優勝を目指すチームにあって、全員が長距離バッターを目指しても、まとまりません。フルスイングしたい気持ちもあるけれど、持ち味を活かして小技で出塁することをゴールにする選手もいることでしょう。個人的な目的は、たとえば「NPBのドラフトではなく、6大学からお呼びがかかる」ことかもしれません。

相談者は雰囲気を和ませてくれるタイプの人なので、たとえば「声の小さいひとも話しやすい雰囲気(あるいは、話さざるをえない状況)を作ること」が役割になるでしょう。

ところで個人の目的とゴールは、必ずしも共有しなくて良いです(したほうがいい場合もあります)。「わたし、みんなの意見が出しやすいように憎まれ役やります」とか主張しちゃうと、たぶん嫌われます。

コミュニケーション方法に合意する

大きな目標を前にして、遠慮しちゃいられない、といいつつも、否定されると傷つく人もいます。どのように関わるかはとても大事なのです。

全ての人の意見をまんべんなく引き出したほうがゴールに近づくと思えば、「ミーティングには必ず見解を用意すること」「明らかに口数が少ない場合は、その場で求める、準備不足なら退場」など、居心地が悪ても積極参加を強いる状況を事前に容認してもらうことが必要です。

意見が対立する場合は、お互いの根拠を出して、チームメイトを巻き込んで議論する。これも事前に合意をとっておくべきでしょう。

こんなような状況になると、今後気まずくなる、と心配する人がいるかもしれません。気になるなら、前後でフォローをしましょう。

「今日もバチバチだけど、よろしくね」「今日は言いすぎたけどプロジェクトのことだけだから、よろしくね」とメッセージを送りましょう。ちょっとした気遣いで人の気持は変わります。

一緒にランチを食べたり、喫茶店でコーヒーを飲みながらプロジェクトとは全然関係ない話しに興じるのもいいですね。

勝ち負けを意識する

ゴールA(1位になる)とゴールB(学んだことを実践する)の大きな違いは、他チームとの競争の有無です。

「チームとしてよかった」と思わせたいなら、結果に優劣をつけることがわかりやすいです。多くの人は、わかりやすい結果を求めるのです。

競争が苦手という人も居ますが、それでも「入賞」は甘美です。過程がギスギスしても、チームとしての勝利によってある程度報われます。

逆に、ゴールBのような目標は、結果を測定することが非常に難しいです。

だから、シンプルに勝ちに行く姿勢が強みになるのです。

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いずれにせよ、チームおいて始めにすべきことは、ゴール設定です。これがはっきりしていれば、事後の「なんとなくモヤモヤして気持ち悪い」感じは避けられるはずです。

ちなみに・・・競争をけしかける論調になりましたが、僕は競争は得意ではありません。人混みを避けて、ニッチに暗躍したいと考えています。それでも競争が避けられない時があり、そのときは全力で勝ちに行くことも必要です。