「ずっと同じポジションにいてはいけない」SSHP参加者のその後:インターンシップブログ


SSHP第1期に参加した高柳くるみさんのお話を聞かせていただきました。17春からIT業界で働くと決めた高柳さんのこの2年間の変遷を追います。

海外で働きたいと思っていた

>>> ついに、インタビューの時がきました!

高柳:お手柔らかにお願いします(笑)。

>>> もう2年経ったんですね。早いものです。まずは参加理由からおさらいさせてください。

高柳:なんとなく将来海外で働きたいと思っていて、経験がほしかったんです。あと、中学生の時シンガポールに来たことがあって、印象が良かったのを覚えてたんです。

>>> 検討してたのはSSHPだけ?他のプログラムも沢山あったはずだけど。

高柳:SSHPは現地の企業が求める実際の業務をさせてくれる、というのが魅力に感じました。カンボジアのサムライカレーというプログラムも面白そうだったんですが、パスポートの取得が間に合わなかったんです(笑)。

>>> っということは、パスポートが間に合ってたら、SSHPには来なかった?

高柳:かもしれません(笑)。

SSHP第1期:見当をつけることを学ぶ

>>> でも、参加してくれました。所属した企業はTravelogでしたね。

高柳:旅行者向けの情報を年ごとにまとめたアプリとウェブサイトを運営している企業です。いただいた仕事は、日本版App Store向けの英→日翻訳と、東京の観光地の情報を拡充させる調査、それから提携のために旅行系ブロガーのリストアップをしました。

>>> 思い起こして一番苦労したことは何ですか?

高柳:英語です。指示がうまく理解できないこともありました。指示を出す方も結構曖昧なところがあったりして、どこまで質を追うのか判断に苦しみました。

>>> 質と量のバランスは永遠のテーマですよね。仕事の納期はキッチリ決まってたんですか?

高柳:厳格ではありませんでしたね。出来たら報告して、修正の指示があって、OKが出たら次にすすむという感じでしたから。

>>> 納期が厳格なのも、曖昧なのも違うツラさがありますよね、キリがないから。とすれば、学んだ教訓は・・・

高柳:そうですね・・・見当をつけて、切り上げることです(笑)。

Travelog創業者と、同僚のインターン生と

SSHP後の変化

>>> 参加前と後で変わったことはありますか?

高柳:仕事に取り掛かる前に工程作りから始めるようになりました。「フレームワーク」を使うようになりましたね。時間を区切ることとか、100%を目指さない姿勢とか、思い返すと随分変わったと思います。就活でも使いました。

>>> おお、SSHP的で嬉しいですね。就活といえば、参加前はコンサル志望でしたね?

高柳:それもシンガポールに行って変わりました。私が2週間で見たものはほんの一部だったかもしれないけれど、ものを作る側の、エンジニアリングになりたいという思いが沸いたんです。

>>> そしてワークスアプリケーションズから内定が出たと。

高柳:はい。色々受けて、もう一社、組み込み系のメーカーからも内定を頂いていたのですが、ワークスを選びました。

想定外の事態に火がつく

>>> そして第2期(2015年8月)のタイミングに合わせて、個人的にシンガポールに来ることに決めたわけですね。ここでまさかの展開が待っていました。

高柳:はい。お世話になった方のツテで、旅行のブッキングサービスを提供している企業でインターンとして雇われることになって、そのつもりで渡航したのですが・・・。いざオフィスに行ってみると、話が違うんです。要するに「あなたのポジションは無いよ」と。

>>> 寝耳に水、なんてもんじゃないですよね。わざわざ日本から来て。でもここから高柳さんはカッコよかった。

高柳:いやいや、全然です。とにかく遊びに来たわけじゃないので、必死に探しました。直ぐに交渉ができそうなところ・・・旅行系か、日本との関わりがある企業がいいんじゃないかと考えて、10社くらいに連絡をしました。返信があったのが2社で、お世話になったのが日本とシンガポールのビジネスの橋渡しをするWasabi Creationでした。

>>> そうでしたね。行動力に感心したのを覚えています。Wasabiではよりリアルな仕事を経験したようで。

高柳:そうですね、詳しくは言えませんが、意見が食い違うビジネスパートナーに対して、契約上の主張を通すためのビジネスメールなんて、なかなか作る機会はありませんから(笑)。

>>> すばらしい。でも・・・このドタバタについては掘り起こさなきゃならないことがあります。僕も高柳さんに知人を紹介して、その後で説教をしたこと、覚えてますよね?

高柳:・・・はい、思い出したくないけど、その節はお世話になりました(苦笑)。

>>> 言いたくないだろうけど、あえて自分の口で言って下さい。教訓は?

高柳:まずは、人の話を聞く姿勢になってなかったこと。せっかく時間を作ってきてくださってるのに、相手に正対していませんでした。足組んだりして。そしてもう一つは、ちゃんとお願いすることができませんでした。仕事があるかお願いしに来ているのに、自分から「仕事がありますか?」と聞けませんでした。

>>> うん、とはいえ、結果的に受入企業を見つけてポジションを勝ち取ったのは高柳さん独力ですから、やはり大したもんだと思います。

さらに想定外の事態

>>> 逆風にもめげずシンガポールで2回目のインターンシップを進めていた高柳さんですが、追い打ちをかける知らせが届きます。ギュッとまとめると?

高柳:・・・どうしても必要な単位がとれていなくて。で、帰国後追試を受けさせてもらったのですが、それも不合格で、留年ということに・・・。

>>> でしたね(笑)。笑っちゃいけないとは思うけど、いやぁ散々でしたね。

高柳:はい。さすがに泣けました。内定を出してくれた企業も1年間は待てないということで、希望するなら受け直しと言われるし・・・。

>>> でもそこで立ち止まっていても仕方ない。ここからは能動的でしたね。

高柳:帰国後、まずはクラウドワークスで仕事を探しました。見つけた依頼主はウェブメディアを作っている人で、私の仕事は外注先のライターさんとの間に入る、工程管理でした。それを数ヶ月続けて・・・。

>>> ウェブメディア、外注ライターさん、クラウドワークス・・・なんだかタイムリーに危険な香りがするけど。

高柳:うーん、どうなんでしょう。少なくとも私は自給で働いていて、搾取されてはいないと思います。

>>> 怖いので突っ込むのはやめよう(笑)。で、その後は?

高柳:ウェブサイト制作会社にお世話になりました。サイト作成の管理工程のいち部を任せてもらいました。具体的には、エラー発生時のコード修正、DB化、翻訳などですね。ここで相当パソコン作業に触れることになりました。特にエクセルの関数を使えるようになったのは、大きかったです。

>>> そして3つめは、僕が紹介したシンガポールのスタートアップhonestbeeですね。担当した仕事はインターンの域を超えてたんじゃないですか?

高柳:honestbeeは、買い物代行サービスを提供している会社です。最初はマーケティング担当として入社して、DM、アプリのブッシュ通知のコンテンツ、サンクスギビング時期のキャンペーンなどを担当していましたが、徐々に翻訳、商品管理と役割が増えて・・・それをシンガポールの本社と調整しながら進めていくわけです。

着包みで販促

>>> ということは直前のインターンシップの経験が活きたんですね。それは素晴らしい。しかし出来るヒトに仕事がふりかかるパターンですが、待遇どうでしたか?

高柳:良かったです。実は1ヶ月後に自分で給与交渉しました。当初説明されていた業務内容と現状の違いを可視化して、自分の成果を引き合いに給与の引き上げに成功しました。

>>> 自分のパフォーマンスに自信がないとできないことですね。

高柳:うーん、他の社員さんにも後押しして頂いたので。

>>> とはいえ、正義は我にありって思ってたでしょ?

高柳:・・・はい(笑)。

>>> ちなみにhonestbeeに来る前には、もう一度就活してたんだよね。

高柳:・・・はい。何社か受けましたが、再び内定を出してくれたワークスアプリケーションズにお世話になることにしました。4月から新入社員です。

>>> 縁があったということですね。おめでとうござます!

2年間を振り返って。

>>> 本当に怒涛の2年間でしたね。思い返してみれば、シンガポールの現地企業で2社、フリーランサーとして数ヶ月、日本のWebサイト制作会社、シンガポールスタートアップの日本法人と、かなり多くの会社で経験を積んだと思いますが、感じるところはありますか?

高柳:そうですね・・・。まず個人的に、リモートで働くことの限界を感じました。自由は嬉しいのですが、モチベーションを保つのに苦労します。良い意味でプレッシャーは必要です。もう一つは、生産性について。生産性を追求できるのは成果ベースで働く良さだと思います。自分で仕事の効率を上げることで、結果が目に見えて現れるので。パソコン操作に慣れる、エクセルで関数を叩く、時間を区切る・・・全部生産性に直結することだと思います。そういう意味では、ずっと同じポジションにいてはいけないとも思います。指示されて作業するだけは、疲れちゃいます。

>>> 深い・・・4月からは大きな組織での挑戦が始まりますね。活躍を期待しています。またお話聞かせてください。

高柳:はい。こちらこそよろしくおねがいします。

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インタビュー後記

人は放っといても成長するものだと思いますが、自分で獲りに行った人と、漫然と時を過ごした人とでは、やはり差が出ると感じます。高柳さんはこの2年間、不測の事態にも負けず機会をつかみに行き、多くを持ち帰り、次に活かすというサイクルを維持しました。

そして考え方も高みに至っています。個人レベルの効率を最大限に高めるためのスキルを身につける重要性は、SSHP研修中にも散々口にするので、多くの人がここまでは認識できます。でもその次の段階、更に飛躍的に自分の価値を高めるには、作業から抜け出して、上流に向う必要があるという考えに、実体験を通じて到達する学生は稀です。

いつだって、終了生に会えるのは嬉しいものですが、成長した終了生に再開するのは至上のよろこびです。