日本でインターンシップに申し込むと、履歴書と志望動機の提出が求められます。海外でも同じで、それぞれ”resume”と”cover letter”といいます。
アクティブな生活を送っている大学生はさておき、SSHPの研修生もresumeの作成に苦労します。とくに控えめな性格の人は、実は書けることが沢山あるのに遠慮してしまうようです。
せっかくの情報を余さず伝えるために、英文レジュメの作り方と、作る上での考え方を示したいと思います。カバーレターを添えることが前提なので、超基本な骨組として参考に慣れば幸いです。
(最終更新:2018/7/17)
英文履歴書のフォーマットはガチガチにきまっているわけではなく、相手によって盛り込む項目は変えたほうがいいのですが、基本になる例を作ってみました。
本ページ下部でWordファイルをダウンロードできます。
まずは、中身の前に、体裁について。
ファイル名を、わかりやすく。
例:20180706_Resume_YasunobuTakata
丁寧か雑は、ここから判断されます。
受取側に対して優しいファイル名は「日付」「内容」「名前」の三要素を含んでいます。
※ 要素の順序を入れ替えました(2018/3/19訂正)
通常メールで採用担当者にPDFファイルのレジュメを送るわけですが、受信者は、ファイルを受信箱からローカルフォルダに保存することになります。仕事では様々な添付ファイルが行き交うので、保存したファイルが「いつ誰がどんな目的で」作ったか、ひと目でわかるようにすると親切です。
これは、レジュメに限らず、仕事においても同様です。付け方はそれぞれですが、ひと目見て解るファイル名にすることが親切です。
それに、ファイル名に日付やタイトルタグがついていると、自分でも管理が楽になります。
逆に、雑な印象を与えると、すごくネガティブな印象を与えます。
誤字・脱字・文法を確認する
編集ソフトはMicrosoftのWordでもAppleのPagesでもかまいませんが、必ずスペルチェックしてください。機能としてのスペルチェッカーを走らせるのは当然のことですが
- 社名の表記
- 自分の大学名の英語表記
- 大文字、小文字の区別
・・・などは検索にも引っかからない場合がありますので、必ず自分の目で確認してください。
ちなみに、Wordの設定によってはスペルミスの赤線が見えません。設定し直すようにして下さい。(Windowsだとこちら。Macならこちら。バージョンによって違うと思うので、ググってみてください。)
目に優しく
提出物は、相手にとって「見やすい」ものを作りましょう。これを無視されると、見る気が失せます。注意する点は:
- ページ数は多くても2ページまで
- 凝った装飾は避ける
- 色は使わない(どうしても濃淡を付けたければ、黒と灰色で調節する)
- 本文フォントサイズは11~12(印刷しても読みやすい)
- フォント種類はTimes New RomanやArialなど見慣れたものを
- 行間は開けすぎても詰めすぎても読みにくい
- 書式・段落・箇条は端をそろえる
- 時系列のものは、最新のものをトップにする
以上が基本ルールです。
では、履歴書について考えてみましょう。
相手に「これまでの自分」を知ってもらう
cover letter (志望動機)とresume(履歴書)は大抵ワンセットになっています。なぜ働きたいのかを記すのがcover letterで、resumeにはそれを裏付けるような「これまでの自分」の足跡です。
目的は、
たくさんいる候補者から、あなたという人間に興味を持ってもらうため
それを満たすものであれば書き、邪魔な要素は省きましょう。
それでは各項目を説明します。
①コンタクト先
氏名は大きく。住所、電話番号、メールアドレスに加えて、LinkedInのプロファイルページのリンクを張っておきましょう。
②自分の性質
ここは、日本語の履歴書と違うところですね。
学生の英語レジュメでは、トップ下のセクションで自分の特性(性格)を説明します。
箇条書きで、「独立心が強く、結果を重視する」など、形容詞を主として表現しましょう。それらを示す事例を書いてもいいですが、詳細なエピソードは以下の項目や、カバーレターで披露してください。
箇条書きではなく、「私は〇〇、△△な人間で・・・」といった具合に段落で書く方法もあります。慣れたらチャレンジしてみてください。
③学歴
最終学歴をトップにすること。日本語の履歴書とは逆です。
在学期間から書きましょう。在学中であれば、卒業見込み年月も記入します。高校の記載は一応書いても良いのですが、それほど重要でないかもしれません。海外の会社が日本の高校について知りたがるとは思えません。世界的に有名なインターナショナルスクールや、英国の名門パブリックスクールに通っていた・・・というなら話は違うのかもしれませんが。
ちなみに、最新情報をトップに据えるのは学歴だけでなく、以下に続く項目全てに共通です。
④インターンシップ経験
あれば絶対に入れてください。やはり期間から初めて、具体的な会社名、ポジション(何を任されたのか)・結果(何を達成したか)を簡潔に記します。
インターンシップ経験が無くても心配しないでください。↓の項目でカバーできます。
⑤その他活動
サークルやボランティア活動をここに記入します。特に欧米ではボランティア経験が非常に重要視されます。
ゼミ活動は日本独特なので、「○○ゼミ所属」で終わるのではなくて、どんなゼミで何をテーマに勉強しているか、ゼミ内での自分の役割を書いてもいいですね。
⑥職歴
アルバイトです。サンプルをよく見て下さい。コンビニ店員と塾講師というありふれたバイトかもしれませんが、アピール要素として抽出できることは沢山あります。
例えば、店長と「品出しの作業って面倒ですよね〜」と雑談したことを、「オペレーションの非効率を指摘した」とか、塾で自分の生徒が1つ下のレベルのクラスに移ったなら「生徒の性質や進度を見極めつつ、最適なクラスをおすすめした」とか。嘘はいけなませんが、綺麗に見せることはできます。
⑦表彰
表彰されるようなことがあったなら、是非。部活で全国大会に出場のような項目もここに入りますが、仕事に繋がる能力に直結するようなモノが優先です。例えばビジコンで優勝したとか、スピコンで入賞したとか、ハッカソンで特別賞を頂いた、とか。
なければ、セクションごと削除します。
⑧特技
プログラミングやデザインなどは大きな強みですが、無くてもオフィスソフトを使いこなせることを明記します。
語学について、微妙に思うのが「英検2級」のような局地的な資格。これは通用しにくいです。であれば(基準はあいまいですが)Basic, Intermediate, Fluentなどの表記にしてください。TOEICも・・・うーん、英語圏の人には理解しにくいですが、840/990のように満点のスケールが分かるように表記するといいかもしれません。
⑧興味
おまけ的ですが、結構目を通されます。やはり仕事を想起させるような内容だと反応が良さそうです。
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いかがでしたか?一見難しいようですが、目的とNGがハッキリしていれば、大学生でも基礎的なレジュメを作れます。海外の企業に興味があったら、いちど挑戦してみてください。
英文レジュメサンプル
↑からサンプルをダウンロードできます。お役立てください。自己責任でお願い致します。
1/9/2018追記(重要)
50人ほどのレジュメを添削するなかで、大学生がミスしやすいポイントをまとめました。
7/18/2017追記
カバーレターについて書きました。合わせてどうぞ。
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