「22年間悩んだ課題に向き合う」SSHP5体験記②:インターンシップブログ

SSHP第5期が終了しました。参加者の声をお届けします。

過去の体験記一覧は、こちらから。

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山田裕哉です。大学3年生です。

なぜ参加したか?

将来漠然と独立して自分の会社を持ちたいと考えていた自分はスタートアップ企業でのインターンシップに興味を持っていました。本で読んだ知識ですが、シンガポールには起業家が多く、アジアのシリコンバレーと呼ばれているようで、国のIT化も進んでおり、個人的に興味を持っていました。そこで偶然友人の紹介からこのSSHPを知り、説明を受け、すぐに参加を決めました。

所属企業と担当したプロジェクト

お世話になったのは、THE UNCHARTED CO.と言うシンガポールをベースにしたホステルグループでした。UNCHARTEDから出された課題は、「どのようにコミュニティを創るか?」というものでした。自分たちなりにコミュニティーを解釈し、イベントを企画。ホステルと宿泊者、地域のレストランが交流することでコミュニティが創られるのではないかと仮定しました。

個人的な課題:コミュニケーション

イベントに協力してくれるレストランを飛び込み営業のような形で、自ら探すわけですが、ここで大きな問題がありました。それは、自分のコミュニケーション能力に問題があった事です。

もちろん英語で交渉するので、語学の面でも課題はありました。しかし、一番問題だったのは、話すスピードや人の話を聞く姿勢など、能力以前の基本的な事でした。元々他人とコミュニケーションを取る事が上手くなかった自分ですが、ただコミュニケーション能力が低い、苦手と認識していただけで、具体的に何が問題か深く掘り下げた事はありませんでした。

チームメイトの若菜さん(左)と話す山田さん。初めは意思疎通がうまくいかない。

しかし、コーディネーターのヤスさんは自分の課題を見抜き、アドバイスをしてくださいました。それは「ゆっくり話す」「自分の頭の中の言葉を待つイメージ」「相手に山なりのボールで言葉を伝える」「大きな声で話す」「自分の声を自分で聞く」など、シンプルなものでした。文面で見ると当たり前のように感じますが、自分はこの中の1つもできていませんでした。しかし、実践してみると、驚くほど相手に自分のことが理解してもらえました。聞き返されることも少なくなり、自分の意見も相手にしっかり伝わり、仕事の生産性が高くなったのは言うまでもありません。

また、今回は有難いことに、ヤスさん以外にもコミュニケーションのお手本となる人に恵まれました。そのうちの一人が、UNCHARTEDのコミュニティマネージャーであり、僕達のメンターになってくれたMakotoさんです。彼はマリーナ・ベイ・サンズや、パンパシフィックといった5つ星ホテルでトレーナーを務めていた経験もあるホスピタリティのプロです。インターン期間中、大変お世話になりました。Makotoさんはとても話しやすく、気さくな方なのですが、その秘密は相手の話を聞く姿勢にありました。相手の目を見て、前傾姿勢でゆっくり頷く。しかも、いつも満面の笑みで。そんな利き手に、話す相手は不快に思うはずがありません。

(Makotoさんについては、こちらのブログをどうぞ。)

優れた「聴き手」に「語って」もらう:インターンシップブログ


笑顔が絶えないUnchartedのMakotoさん(右)の話を真剣に聞く山田さん(左)

学んだこと

SSHPのメンバーの中には話がとても簡潔で分かりやすい人、自分で解釈して、分かりやすい自分の言葉に直して伝えられる人など、今の自分には難しく感じるようなことが簡単にできてしまうメンバーもたくさんいました。しかし、ヤスさんとMakotoさんから学んだことは、今の自分にも意識さえすれば必ずできるという点でした。だからこそインターン期間中毎日意識して続けることができました。しかも、2人の共通点は普段は物静かということです。「2人にできて自分にできないはずはない。」ヤスさんから言われた言葉を信じて毎日意識して習慣にしようと努力する毎日です。

SSHPに参加してよかったこと・今後について

今回、SSHPに参加させて頂き、まさかこれまで22年間苦しんでいた課題に向き合うことができるとは思ってもいませんでした。しかし、克服できたわけではありません。今回コミュニケーションに関すること以外にも数多くの学びがありました。学んだだけではなく、今後学んだことを生かしていくことが大切だと感じています。尊敬する人、負けないように頑張ろうと思える仲間と出会うこともできました。SSHPに参加したことで自分の人生が変わったと言えるような今後の努力をしていきたいと思います。

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コーディネータ後書

山田さんは独自の視点とアイデアを持つ人です。しかしそれをうまく表現できていないため、他人にはそれが見えにくく、またそうであるが故に自分に自信が持てない、というサイクルにありました。せっかく自分の経験を基にした面白い提案ができるのに、口を開くとそれが理解されず、途中で諦めてしまう、というもったいない悪循環。(余談ですが、地元のレストランとのイベントとは彼の発案だそうです。自身がレストランで働く経験からアイドルタイム(暇な時間帯)ならコラボしやすいはず、と感じたらしいです。)

2週目に入り、思い切って大きなアドバイスをしました。上記のサイクルを時間をかけて説明し、状況を理解してもらい、改善のために出したアドバイスは「ゆっくりしゃべる」こと。きっと凄まじい違和感を覚えたはずですが、山田さんはそれを実行し、さっそく翌日には効果がありました。以来、メンバー内でのコミュニケーション力は飛躍します。メンバーが振り返って、彼がコミュニケーションに問題を抱えていたことを殆ど覚えていなかったほどに。

もう一つ、彼はこの体験記で触れていませんが、SSHPのメインコンテンツの1つであるフレーミング(仕事の段取りの手法)を最も吸収してくれたのも、山田さんでした。武器を活かして就活を大いに楽しんで頂きたいです。