大学生のためのマーケティング講義④一般消費者の購買プロセス3「検討」:インターンシップブログ


大学生とマーケティングについて考えるシリーズ。

第1回は、購入プロセスの全体像について

日本国語大辞典のiOS版(精選版)アプリを購入しました。30万語の言葉の意味や用例をおさめた辞典の電子版です。購入までの導線がとてもインターネット的で、うまいな、と思いました。僕はマーケティングのプロ、というわけではありませんが、実際にサービスを売って...

第2回は、購入プロセスの入口、発見の全体像について。

大学生とマーケティングについて考えるシリーズ。第1弾は、購入プロセスの全体像について考えました。今回は、ステップ1、発見(Discover)について説明します。「発見」は最重要ステップ昨日説明したとおり、消費者が購入に至るには、5つのプロセスが考えられま...

第3回は、興味を持った人がとる「調査」の行動から生じる購買について考えました。

大学生とマーケティングについて考えるシリーズ。第1回は、購入プロセスの全体像について第2回は、購入プロセスの入口、発見の全体像について考えました。今回は、調査(Research)について説明します。見慣れたフロー図からはじめましょう。前回のエントリーでは、...

今回は、購入プロセスの最終回。検討(Consider)について考えてみましょう。

名称未設定

「検討」とは、つまりは「保留」のことです。今決められない(考えられない)から、決定を先延ばしにするわけですね。

商売において、検討とは曖昧な言葉です。遠回しのNoであることもしばしばです。僕が主催するシンガポールでのインターンシップ・プログラムSSHPにおいても、説明を受けて「検討します・考えます」という学生の殆どは、帰ってきてくれません。

こちからから状況を聞いて、ようやくNoのお返事をいただけます。無視される場合も多いです

余談ですが、ハッキリNoということのメリットは別エントリで書きました。

「社会人と話すと、知識や経験の差に圧倒されて何も言えなくなるんですよ」と嘆く学生さんがたまにいます。ちょっともったいないです。個人的には「しょせん学生」という意識は危険だと感じています。とくにSSHPを立ち上げてこのかた、その想いは強くなりました。学...

さて、前提として、お客様はここに至るまでに、商品の存在を知り、商品の詳細や評判について情報を収集する「認知」と「調査」のステップを経ています。前回も書きましたが、上図に則して言うなら、3「精査」が終了した時点で購入に持ち込みたいのが企業側の本音です。

でもクローズできなかった・・・そんな時、消費者は何をするのでしょうか?

保留モードに入った消費者の行動

何もしない

身も蓋もないですが、特に何もアクションをとらない、という選択肢が考えられます。文字に起こすと怠惰に聞こえますが、だれもがこれを無意識に、日常的に行っています。例えば・・・野菜を買いにスーパーマーケットに行き、購入するつもりがなかったカップヌードルが激安で販売されていたとします。「後で買おう」と考えつつも、生鮮食品コーナーで野菜を選ぶうちにすっかり忘れてしまった、という場合。

超短期的な保留と言えます。そして、記憶のみに頼るので、当然忘れ去られる可能性も高い。

メモをとる

備忘録も様々です。メモ、ノート、ポストイット、裏紙といった、アナログなものもあれば、Evernote、ブラウザのブックマーク、To-doリストアプリなど、デジタルツールもあります。

難しいのは、メモの活用レベルは人によって大きく異る、ということです。僕はメモの利用が下手です。Evernoteは素晴らしく便利で、スマホでも、デスクトップでも、デジタルメモとして利用しています。ノートブックをメモのカテゴリとして分類し、仕事(プロジェクトごと)、趣味、読み物のように、メモを切り分けています。

けれども残念ながら、個人的な興味をベースにした「読み物」カテゴリを定期的に開く習慣が身に付いていません。塩漬けです。メモを見返すことがルーティン化できている人は、素晴らしいなぁと思います。

このように、メモは必ずしも効果を発揮してくれないのですが、それでも何もしないよりもマシですね。

保留モード対策

検討(保留)モードに入った潜在顧客に対してできることは、商品の存在を忘れさせないために、強く印象づけることです。

忘れられない商品名を付ける、危機感を煽る、限定性をちらつかせる、度肝を抜くキャッチコピーを付ける、パッケージの配色方法、無双のコンテンツなど、いろいろあります。これらは、メモをとる人にとっても助かります。

もう一つは、次のステップ「再認識」と重複しますが、頻繁に商品を配置することです。激安カップヌードルの例だと、乾麺のコーナーだけではなくて、棚の側面や、特設ワゴン、レジ前など、同じ製品を分散して陳列していますよね?無意識にリマインドされているわけです。

ちなみに僕が買った辞書を紹介していたBuzzfeedの記事も、結構インパクトが有りました。「30万語以上」「紙で買ったら数万円だが、アプリなら7,800円」「1月末まで限定価格の4,800円」「古事記・日本書紀から現代の小説やエッセイまで」

それでも一番大事だったのはコンテクストかもしれません。個人的に、辞書編纂をテーマにした映画「舟を編む」を観たばかりだったので。三浦しおんさんの小説がオリジナルですが、アニメ化もされていて、かなり辞書業界にはプラスだったのではないかと。どうやら人気の波を利用する、という施策も必要ですね。

最後に、デジタルメモを取る人に対しては、気軽にブックマークできるように、アイコンを分かりやすく配置しておきましょう。

顧客に再認識してもらうきっかけ

お客様に帰ってきてもらうのって、すごく難しいです。難しいですが、僕はこの再深層までたどり着いた末に辞書アプリを買いました(詳しくは第1回を参照してください。)

オンラインの世界では、「おーい、◯◯に興味あったんじゃなかった?」と肩を叩いてくれる方法が沢山あります。

バナー広告(履歴ベース・一般サイト)

むかしむかし、バナー広告が出回り始めたころ、効果について大いに疑問を持っていました。いまほど詳細なターゲティングができなかったからか、自分に関係ない広告がランダムに表示されているように感じたのです。しかし数年前から、個人ブログなどを訪問すると、既視感を覚えるようになりました。理由は、自分が近い過去に検索したサイトや商品の広告が頻繁に表示されるようになったからです。

僕の場合、特に表示される頻度が多いのは、Expedia, Hotels.com, Skyscanner, 楽天トラベルなど、旅行予約サイトが多いです。

バナー広告(履歴ベース・ショッピングサイト内)

おなじみですね。楽天市場を開くと、こんなものが表示されます。

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僕が楽天市場で検索し、辿り着いた(でも購入してない)ものがおすすめされます。Amazonも同じです。効果、あると思います。Amazonの閲覧履歴からの購入に至るケース、よくあります。

上述の例との違いは、企業側が個人を特定できるか否か、という点です。前者の場合、利用者のデバイス、OS、地域などの特色をトラッキングすることはできますが、あくまで匿名です。これに比べ、ショッピングサイトの場合は、個人名、住所、クレジットカード番号、メールアドレスから、購入履歴やサイト内の閲覧履歴まで、より詳細なターゲティングができます。

アプリストアのおすすめ

???と思われるのは無理もないです。かなり限定的なので。でも僕が体験した実例です。

僕がアプリを買った最終的なきっかけが、これでした。iPhoneにインストールした他のアプリをアップデートするためにApp Storeを開くと、その辞書が「おすすめアプリ」として表示されていました。そこで思い出して、購入・・・という流れ。

アプリなんて星の数ほどある商材の1つに過ぎないので、ここから得るべき教訓は、再認識のためのチャネルは、できるだけ多く用意したほうがいい、ということです。なにがトリガーになるか分からないからです。

企業からのメッセージ

潜在顧客がなんらかのアクションを起こしてくれていた、ラッキーな場合です。例えば、追加情報を得るためにメルマガに登録したり、あるいはFacebookページをフォローする、といったものです。

メモアプリのリマインダ

Evernoteにもリマインダ機能はあります。僕が使いこなしてないだけで。カレンダーアプリなどは、期限ありきの利用なので、自然とリマインダが設定されますが、メモアプリだと、別アクションでカレンダー的要素を付加する必要があります。これを煩雑と感じてしまう。だからといって、全てのメモをカレンダーに書き込むのは・・・どうだろう、スケジュールがグチャグチャになりそうだ。

まぁこれは、お客様のタスクマネジメントに関する意識によります。企業側が何かできるわけじゃない。

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Prepared Slidesのようにささやかな企業は広告資金が潤沢にあるわけでもないので、地道に独自コンテンツを作り続ける所存です。