あけましておめでとうございます。
SSHPはオンライン課題の只中です。
自分の気持ちを引き締めるために、僕が何をおもってSSHPを運営しているのか、まとめてみます。
第6期研修生と、これまでの修了生に向けて。
SSHPを開催する目的
SSHPを開催するにあたり、僕がもっとも強く願うのは、参加してくれた人が幸せになることです。
そうでなければ、やる意味がありません。
なにをもって幸せと呼ぶかはそれぞれですが、お金に困らず、精神的に充足しているなら、なかなか幸せだと思います。
精神的充足は個人が見つけるべきだと思っているので、このエントリでは、「お金に困らない」をメインに書きます。
お金に困らない
生きていく上でお金は必要です。お金があれば幸せとは限りませんが、お金が無いのは不幸に直結します。
お金を稼ぐには、雇われて給料を頂く、起業して売上をあげる、株式や不動産への投資など、いろいろな方法があります。
SSHPでは、「雇われる」あるいは「起業する」大学生を念頭に、長い目で見て食うに困らないようになってほしいと願いつつ、研修内容を組んでいます。
言い換えるなら「仕事に困らない人材」になって欲しいのです。
では「仕事に困らない人材」とは、どんな人なのか。
信頼される
信頼されるためには、約束を守ること。そして正直であること。
頭ではわかっていても、意外と実践できていません。怖いのは「まぁいいや」という油断と、自分をよく見せたいという見栄です。
しかし、有言不実行の人に仕事は回ってきません。だから、やると決めたことはやる。
分からないことを分かったふりをしていると、後に問題が大きくなります。だから、確認する。
SSHPでかわす約束は、「日中は会社の仕事をする」「毎晩僕のレビューをうける」の2つだけです。前者は問題ないのですが、後者に関しては、研修生が緩んでしまうことがあります。
正直、レビューを飛ばされても僕は困りません。しかし、小さな約束を守れない人は、仕事もおざなりになりがちです。大学生のうちの3週間では、この当たり前を徹底します。
他人の言葉を理解できる
コミュニケーション能力が大事だと、だれでも知っていると思います。
SSHPには優秀な学生が集います。しかしそれでも、仕事の文脈において皆さんコミュニケーションをミスします。
なんとなく空気を読むことには長けているように見えますが、意識的に、真意を含めて指示を把握することに不慣れなようです。
仕事の指示を正確に理解するのは、メチャクチャ難しいです。
ここにまず気付いてもらうために、SSHPのオンライン課題を出しています。難問もあれば、自由課題もありますが、みなさん見落としや勘違いがあります。
レビューでは、僕のアドバイスが届いているかを確認するために、自分の言葉に置き換えてもらったり、別ケースに挑んでもらったり、工夫しています。
自分の考えを伝えられる
コミュニケーションの続きです。
理解することも難しいのですが、理解してもらうことだって同じくらい難しいです。
初回プレゼンでは、みなさんことごとく自らのパフォーマンスを嘆きます。
もちろん緊張しているし、英語力に自身がない人もいます。
しかし、伝わらない一番の理由は、何を言いたいのか自分でも分かっていないからです。
だからSSHP期間中の僕の口癖は
「ごめん、わかんない。」「本当にそう思った?」「もう一回説明して?」
みんな、うんざりするほど耳にしています。でも意地悪のつもりはないのです。
毎晩のレビューでは、その日あったことの報告から始まるのですが、最初は皆さんの報告はたどたどしいです。これが数を重ねる毎に、みるみる上手になります。しっかりと考えて、伝えるべきポイントが解るようになります。
自分の頭のなかで滞ってた考えが整然とアウトプットされる、それは快感です。
場合によっては、喋り方や、姿勢、ジェスチャーにまでアドバイスするときもあります。
アドバイスするほうも、受けるほうも苦しいですが、効果はてきめんです。
自分の頭で考える
頼りになる上司、先輩、同僚がいつも近くにいればよいのですが、全てが理想通りに可用とは限りません。
SSHPでの仕事は指示に基づくものから自分で作り出すものまで様々ですが、いずれにせよ、100%つきっきり、ということはありません。
必ず自分で判断をする状況に直面します。
特に新人のうちに大事なのは、自分で判断して、その理由を説明できることです。判断が正しかったかどうかは二の次です。
毎晩のレビューで「どうしてこうしたの?」と僕に詰められた記憶は、苦いかもしれませんが、身になります。
制限の中で、最大の結果を目指す
全ての仕事には「時間・金・人材・規制」などの制限がついて回ります。
制限が無い仕事なんてありません(あったとしたら、逆に地獄です)。
SSHPのホストであるシンガポールのスタートアップ企業は、全てが足りていません。潤沢な広告費も、営業にかける人材も、開発者も、パートナーも、充分なポイントはありません。
だからスタートアップなわけです。
その制限を踏まえた上で、今自分が出せる価値とはなにか。これを考えて、実行して、伝える。
この姿勢は、どんな職場でも重宝されます。そうでないなら、離脱を検討したほうがいいです。
マーケットを広げる
日本の人口は減少しています。
数十年前に生まれていてば、日本市場だけを見て逃げ切り可能だったかもしれませんが、皆さんの世代は厳しいです。
2015年の人口と、皆さんがまだ現役で働いているであろう2040年の人口を比較すると、およそ16%減少です。
乱暴に言うと、生産性が上がらない限り、日本の経済規模は22年かけて16%縮小することになります。
さらに他の国が成長するなら、日本は相対的に貧しい国へとまっしぐらです。
何が言いたいかというと、日本の外で自分を活かす可能性に気付いて欲しいのです。
その始めの一歩として、シンガポールはうってつけです。世界中から人が集まり、裕福な人も貧しい人もいます。成長を続ける中国、インド、マレーを見る手がかりにもなります。
では、新卒でシンガポールで働いてみようか・・・と思い立って、それを実行できる人がどれくらいいるか、というと・・・希少です。でも、SSHPをきっかけに海外に目を向けて、飛び立った卒業生もいます。
まとめ
海外就職ではなくても、どこか海外にふらっと行って「ああ、ここだったらこんな商売できそうだ」と気軽に思えるようになって欲しいのです。
そう思える心と、それをちょっと試してみる勇気があれば、人生楽しくなります。
とにかく、僕は皆さんが幸せになることを願っていて、少しだけでも力になれれば嬉しいです。
そう思いながら、SSHPを運営しています。
第6期の皆さん、2月からよろしくお願い致します。